スマイルズの名著『品性論』

人生設計や自己鍛錬の方法を書いた本についてはごまんとある。しかし本書ほど読めば読むほど心躍る気持ちになった本は今までにあっただろうか。

本書はサミュエル・スマイルズの「品性論」を「ユダヤ人大富豪の教え」で有名な本田健氏が翻訳した1冊である。

1.もっと熱く生きよ、道は開ける
自分が今どこにいいるのかを見定め、そしてどのような試練が起ころうとも楽天的であること。他人に対して献身的であること。そうして生きていくことによって自分の人生を熱くすることができる。自分で希望と言う財産を使いつつ、他己主義であれと言うのがこの章の肝と言えよう。

2.使命感の燃える
自分を動かす原動力となる「人格」、そしてそれを形成するための「誠意」や高潔な「精神」を持つこと。それを培っていくにはかなりの年月を要するが使命感をもち、誠実、両親を尊びながら成長していくことこそ最良の人間、成功者としてのプロセスである。

3.仕事をやり抜く
私はまだ社会人一年目だがこれまで頂いた仕事に全て誇りを持っている。それは大袈裟に言っているわけでもなく、本心で言っているまでだ。その根拠となるのがこの章である。何も考える暇も無いような単純作業でもその中でどのようにしたら効率的になるのかなと考えてしまう。難しい仕事でも周りに走っている先輩がいたり、インターネットや文献も存在しており、調べる媒体はそろっている。その中で自分はどのようにこなすのかも考えることができる。仕事は自分にとって誇りでもあり成長の糧となる。ただ一つだけ仕事の中でつらいものがある。それは「暇」があることである。暇があると言うのは何もしない。何もしなければ自分にとって成長できる機会を逃してしまうばかりではなく、自分自身を退化してしまう危険なものとなる。本章では自分が思っていることのほとんどが書かれており、自分の仕事観が間違っていないことを再認識できた。

4.見識を高める
見識を高める最良の手段は「読書」である。読書で見識を深め、思想を醸成し、教訓を修める。私は今まで数多くの本を読んできたのだが、まだまだ続けることに意義があると考えることができた。

5.よい人間関係をつくる
人間関係は人脈も含まれるが、人脈形成は実際それほどやっていないため分からないが、普通書物を読むときは「パンを食べる」ように身につくが、人脈は「霞を食べる」ようにちょっとやそっとでは形成されないと私は思う。しかし人脈を形成、及び人間関係を形成するためには「誠」を尽くすことが肝心であるという。

6.人生に勝利し、人生を楽しむ
人生に勝利をする、楽しむひとは常に努力家で信念を持ち、そこに向かって希望の灯を絶やさない人にある。それが「虚仮の一念(本書では「コケの一念」となっていたが、こっちのほうが正しいだろう)」を生じることが可能になる。人間は誰しも奇蹟を求める。しかしその奇蹟は努力をし、新年をもったもののみ与えられる恵みである。

1度しかない人生だからでこそ楽しみ、かつ明るく生きること。それを念頭に置き勉学や人脈形成といったことを励む。そして自分の周りに虚飾を持たず、只々まっすぐとした視線、姿勢で生きていく。そういうことを本書で入っているのではないかと思う。

本書を読んでの感想はこまごまとしたものは私はいらないと思っている。理屈は本当に抜きにして、自分が信じられなくなったとき、迷ったときはぜひ読んでみたほうがいい。必ずや道は開けるだろう。