3時間で「専門家」になる私の方法

3時間で「専門家」になる私の方法 3時間で「専門家」になる私の方法
佐々木 俊尚

PHP研究所  2007-09-11
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インターネットは急速に進化しており、ウィキペディアなど参考となる文献が段々と増えてきた。情報収集でもインターネットというのは重要なツールの一つとなりつつある。その反面インターネットしか調べていないという杜撰な方法で行われることも多くなった。本書はインターネットを利用した情報収集の方法を佐々木氏独自の手法で紹介している。
第1章「激変した「情報をめぐる環境」」
ここではインターネットを中心とした情報の環境の変化について書かれている。
第2章「新聞記者は無意識に「マトリックス」を描く」
本書の中心となる方法の一つとして「マトリックス」が取り上げられている。このマトリックスは横軸は必要な要素について、縦軸は取材対象についてを表にまとめる方法である。この要素についてどこで調べるのかというのをわかりやすくまとめる。それの事例として佐々木氏が取り上げた「中華航空機墜落事故」の特ダネ記事の取材の体験について書かれているところがわかりやすい。
第3章「クオリアを身につけよう」
脳科学者の茂木健一郎氏が「クオリア日記」というブログを持っているほど「クオリア」という言葉にこだわっている。ではこの「クオリア」というのは一体何なのか。本書ではこう書かれている。
「簡単にいえば、人間の経験のうちで、最後まで数値化できない感覚のことです。(p.64より)」
ちなみに「クオリア日記」によると「感覚質」とされている。つまり「クオリア=感覚」と言われても差支えないだろう。
ではこの「クオリア」はどう使うのか、そしてどのように身につけたらいいのだろうか。「クオリア」の使い道は自分の専門外の分野を感覚的に身につけることにあり、それは
新聞や雑誌→一般のウェブサイト→ブログ→ネットカキコミ(pp.68-69より)
と言った順から調べていくと言いという。
第4章「実践・3時間で専門家になる PART1」
第5章「実践・3時間で専門家になる PART2」
さてここから実践編である。前章までの技法などを駆使してどのように専門家になったらいいのかということについて書かれている。情報を取り入れるためには検索エンジンを使う必要はあるがでは一体どうすればいいのか、正しい方法についても言及している。特に陥りやすいのは特定のテーマからスタートしていくと当然枝葉のように事柄が広がっていく。自分が調べたい範囲から広がらなければいいが、そこから外れることが多々あることが欠点である。そうならないためには興味の対象をあまり広げず、キーワードを深く調べていくことによって、深い知見を得ることができる。要は知的な「浮気」はしないことだ。
第6章「ニューロン型情報収集のノウハウ」
第7章「セレンディピティを実現する」
「セレンディビティ」とは一体何なのか。本章を調べてみると、
「偶然をとらえて幸運に変えてしまう能力(p.189より)」
偶然をとらえるには、「web2.0」が格好のツールとなる。キーワード検索によってブログの記事やタグ検索、RSSなどと言ったものによって貴重な情報源になる。また時事に関して調べる時もこのセレンディビティを使えば新聞やテレビでは取り上げられなかった情報を得ることができる。
「3時間で専門家になる」というのはちょっと言いすぎかなというのが本書を読む前の印象であったが、インターネットの発展によりそれが言いすぎと言えない状況になっている。だが、インターネットはあくまで(強力な)ツールである。インターネットを利用しつつもその情報を時には取り入れ、ときには疑いながら他の情報に目をやることが大切である。疑いながらその情報を調べていくことこそ、考える出発点である。

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