できる人の口ぐせ

仕事のできる人というのは口癖から違うというのはなかなか信じ難いことであるが、その人の口調や口癖、話し方だけで性格がわかるとするならば口癖もできる様相の一つなのかなと思ってしまう。もっと言うと口癖一つで相手の受け止め方が違うとなるとできる・できないの差が分かってしまうのだから言葉遣いというのは恐ろしい。
本書はできる人の行動パターンならぬ「言動パターン」というのを紹介している一冊である。

第1章「できる人は、目的と手段を区別している」
結果を出す目標や手段を持っている人は口癖が違うという。例えば論理の中でも重要な要素を占める「数字」を持つこと、断られそうになったときに備えて代替案を持ってくることが本章で共通していることと言える。数的に根拠を押さえておけば相手にとっても説得力があり有益になる。さらに代替案があれば交渉決裂も回避しやすく、幅を持たせることができるので悪く言うと、相手にとって「逃げ場が少なくする」という考えもできる。

第2章「できる人は、環境に適応するのが早い」
適応能力というのは人それぞれ違うが、環境に順応しやすさも一つなのかもしれない。
とりわけ私は仕事場が転々とすることがあるのでこういった適応能力をつけるにはどうすればいいのかというのが課題である。
それだけではなく、新入社員も新たな環境で働くという観点からここは押さえておきたい所である。

第3章「できる人は、情報を集めるのがうまい」
情報の集め方にも手段があるという。普段の話し方においても、取り方次第では仕事をする上でも非常に有益なものになる。
特に印象に残ったのが「メモを取る」というもの。「メモ」に関してはおそらく賛否両論も多いようだがメモを取ることによって証拠を残すことができる。その場でメモに残さなくても、会話が終わった直後でもいいのでそれをノートに転機をすることも書かれている。
成長を一目で見るものとしては重要なものである。

第4章「できる人は、周りに支援者をつくる」
「アライアンス」ということもあるようにできる人は「巻き込む」「巻き込まれる」ことが頻繁にある。
とくに本章の最初ではとある会社の小さな部署の半紙について書かれているが、お互いライバル同士でありながら情報交換を頻繁に行い、それをフィードバックさせるということを行ったという。周りがそれに触発し、結果全体的に売り上げがアップしたという話がある。
最近では無口・無表情となりつつある企業の雰囲気であるからでこそこういった者が重要になってくる。

第5章「できる人は、自分の気持ちを確認している」
モチベーションというのは結構気まぐれなもので、日によって高ぶりやすいことがあったり、落ち込んで高ぶりにくくなる時があるのは事実である。そう言う時には「なんで?」というのが特効薬になる。自分自身の頭で考えるばかりではなく、ノートに自分の気持ちを書きなぐってみる手もいいだろう。

第6章「できる人は、出会いを大切にする」
本章は営業に関してのことを言っているのだろう。しかし私のようにセミナーでの出会いという所にも通底する要素はある。
・自分にキャッチフレーズをつける(私だったら「蔵前トラックⅡ」の蔵前?)
このような感じである。
口癖というのはその人自身の性格と言った者が如実に出てくる一つの要素である。ただし性格と決定的に違うのが、口癖は練習次第で変えることができる。口癖を治したい方には本書を携帯すべきであろう。文庫版であるためよほどではない限り持ち運ぶことは容易である。