1億稼ぐ!飲食店「週末」起業

先日「実践! 仕組みづくりセミナー」の講師であった高樹公一氏の一冊である。
週末起業で飲食店を3店のオーナーであり、年商は本書では1億と書かれているが、現在では2億円にまで上るほどである。
本書はサラリーマンでありながら飲食店を営む「仕組み」について、自ら公開した一冊である。
2009年は「「仕組み」の年」。そう考えると本書はまさにうってつけである。

第1章「飲食業で成功したければ「週末飲食オーナー」を目指せ」
なぜ高樹氏が飲食店のオーナーになったのかというところから始まる。
あらかじめなりたかったのかというと本書を読む限り「やりたかった」というのは考えにくいのだが、家の事情(詳細は本書読んだり、セミナーに来た人であればわかる)により、のっぴきならない状態になり、飲食店のオーナーとなったという。
のっぴきならないところからのスタートであり、さらに多くの試練に直面しながらも、「仕組み」を形成していった。
「仕組み」はいったん作れば後は自動的に儲かるものであるが、それまでは血のにじむような努力と苦労がなければ作ることはできないと悟った。

第2章「飲食店経営の魅力とは」
ここでは飲食店のメリットについて書かれている。
飲食店というと、競争がシビアで儲けも厳しいというイメージがあるが、本章ではそれを払しょくする役割を担っているのだろう。

第3章「週末飲食オーナーになろう」
週末飲食オーナーになるためにはどうすればいいのかというのがこれから伝授していく。

第4章「法人化を検討しよう」
ここは法人化についてである。法人化をするといろいろなメリットがあるのだが、法律論とあわせてもっと知りたいと思ったところである。

第5章「開業資金を準備しよう」
開業資金とくると銀行から融資を受けるか、はたまた企業の社長のもとへ投資を懇願するかという手段を思い浮かべるが、開業するための効率的な、資金調達方法についても少しであるが紹介されている。

第6章「自分に合ったフランチャイズを探そう」
フランチャイズ(以下:FC)の仕方にもいろいろあるという。加盟へのプロセスについても詳しく書かれていたのだが、FCについては形態により複雑なところもあるので一筋縄ではいかないと考えてしまう。いろいろなFCがあるのだから。
しかしFCのことに関してさわりだけであったなら本章は最適である。

第7章「開店の準備をしよう」
開店の準備である。
両親が喫茶店を経営していたことがあってか、保健所に関する手続きは非常に分かりやすい。
他にも保険や雇用に至るまでの手続きというのもあるので大変である。

第8章「収入を増やそう」
収入を増やすのは飲食業界のみならずFCではシビアなものとなっている。特にFLR(FoodCost, LaborCost, Royalty)というのがネックになることが多い。

第9章「計数管理でコスト意識を高めよう」
飲食業は特に大事なようであるが数字、特に利益やコスト意識を店員に植え込ませるかというのもカギになる。BOOKOFFという大型古本チェーンではほぼすべての店舗に財務諸表が置かれており、会社の利益といった数字意識が徹底されているという。
強いFCほど数字管理が一人一人ちゃんとしているところであると窺える。

第10章「多店舗化と店舗販売でさらに儲ける」
FCなので店舗展開戦略も大事になってくる。

飲食店起業、FC起業の仕組みと高樹氏自身の体験談というのが満載の一冊である。
しかしこの「週末飲食オーナー」は本書を超えて、何と応援サイト「週末飲食オーナー倶楽部」を開設しており、6月に大幅リニューアルとなった。飲食店を起業したい方にはぜひお勧めのサイトである。