あたりまえだけどなかなかできない 聞き方のルール

コミュニケーションをするにあたり「話す力」というのが目につくのだが、私はそれ以上に「聞く力」というのが重要であると考える。コミュニケーションは言葉のキャッチボールであるので、「聞く力」という名のグローブで言葉をキャッチして、相手の耳のグローブをめがけてことばという名のボールを投げる。投げ方によって相手の受け止め方違ってくるし、受け止め方によって相手の心情が変わってくる。人同士のやり取りというのは簡単なように思えるのだが、思い通りにいかないところも多く、難しいというのが常である。

特に「聞き方」一つで相手への返答ややり取りも大きく変わり、それ次第で仲良くなったり、こじれてしまったり、逆鱗に触れたりすることがある。

本書はこの「聞き方」についてのルールが全部で101個あるのだが(「ルール」シリーズの本は全部101個のルールによって成り立っている)、全部取り上げるのも億劫なのでいくつか取り上げてみる。

ルール1「聞く技術の重要性」
著者が「聞く技術」に着目したきっかけは「話すのが苦手」だったことにあった。心理学的にどのような聞き方をしたらいいのかというのを学んでいくうちに、苦手だった営業でトップになった。
「聞き方」次第で営業の技術は格段に上がるのだろうかわからないが、営業技術に「聞き方」というのは重要な位置を占めているのが分かる。

ルール16「男性が家庭でおしゃべりしない理由」
昔の家庭は私のイメージでも父親は厳格であまり口を開かないというのを想像する。しかし男性と女性にとっての会話のやり取りの違いがそうさせているという。

ルール27「相手の答えを引き出してあげる聞き方をしよう」
相手の答えを引き出すためな聞き方というのがあるという。あくまで方法論というよりも心構えに近いが、「悩み」の答えを引き出すために協力をするということで相手の気持ちを聞くというのが大切とされている。

ルール43「あいづちの技術とは」
「聞く技術」の真骨頂の一つとしてあげられるのが「あいづち」というのがある。あいづちと言うと「はぁ」「ひぇー」「ふん(または「ふーん」)」「へぇ」「ほぉ」というようなものから「オウム返し」というのがあると考えるとあいづち一つでも油断できない。
あいづちをマスターすることによって「聞き上手」になる大きな一歩である。

ルール58「4つの感覚タイプを見わけよう」
4つの感覚タイプは、

・視覚タイプ
・聴覚タイプ
・身体感覚タイプ
・内部対話タイプ(理論タイプ)

に分かれている(p.126より)。
タイプ別に聞き方や話し方というのが違ってくるが、これは本書を手にとって読んだ方がいい。

ルール78「名刺交換の時こそ聞き上手になろう」
私はよくセミナーやパーティーに参加するのだが、そのたびに名刺交換をする。その時には会社や相手について質問をいくつかするのだが、名前や職業、仕事内容についていろいろと聞く。そのことによって相手への関心を深められるだけでなく、相手に対して「興味がある」ということを表すことができる。

ルール88「会議での進行役の聞き方」
会議においても「聞き方」は重宝される。例えばファシリテーターなどの進行役にとっては相手の意見を取り入れながら、会議の進行を円滑にする役割をもっているためこれまで書かれた「聞き方」を駆使することが重要である。

ルール101「聞く技術は一生の財産」
他愛のない会話においても、ビジネスコミュニケーションの場においても「聞く力」というのは重宝される。相手の意見をしっかりと聞きながら、反論を交わしたり、意見を掘り下げていくということができる。掘り下げや討論と言ったことの根幹をなすのが「聞く力」であることがよくわかる。

「聞く力」というのはただ単に耳で「聞く」と言うばかりではなく、「聴く」「訊く」「利く」といろいろな字になる。しかもそれぞれの力も違うのだが、「聞く」というのはこれらをすべて合わせもった力という意味合いをもつことができる。「聞く力」というのは無限である。

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