最新 小さな会社の総務・経理の仕事がわかる本

著者の原様より献本御礼。
会社には必ずと言ってもいいほど総務や経理といった方がいる。規模の大きい会社だと「総務部」や「経理部」といった部署によってまとめられることがある。実際にそこに携わっている人であればいいのだが、それに携わっている人ではなかった時、総務や経理はどのような仕事をしているのかと言うと、大まかなことであればわかるのだが、具体的な仕事についてはと言うと、良くわからないと答える人が多いだろう。本書は知られざる総務と経理の業務について解説をした一冊である。

<総務編>
第1章「総務の基本と日常業務」
総務の仕事は1年中ありとあらゆる仕事が存在するが、主に行事の運営や準備といったものが主である。また文書の管理・作成・回覧といったものがある。

第2章「雇用にかかわる仕事」
こちらは総務の中でも「人事」といったものである。「総務部」よりも「人事部」が行う業務としても扱われる事があるが、人事部や人事課というものがなかった場合は大概総務が行う。雇用にかかわる仕事と言えば、「採用」や「入社手続」、「福利厚生」、といった社員に直接かかわる仕事がほとんどである。

<経理編>
第1章「経理の基本と日常業務」
さて次は経理である。経理を行うことは会社内外での取引について仕訳を行い、そこから各帳簿に転機を行うことの連続である。いわゆる「簿記」の基礎編といったところが本章で紹介されているが、ここから日常業務に展開させていくという形を本書では取っている。

第2章「給与計算と源泉徴収事務」
社員は毎月のように「給与明細」、会社によっては現金で受け取る「給料」であるが基本給から住民税や保険料といったものが差し引かれ、残業代や交通費が加算されて支給される。
本章では所得税に当たる「源泉徴収」に関して最も詳しく書かれているが、所得をもとにどのようにして計算されていくのかというのが複雑であるが故なのかもしれない。

第3章「決算及び申告業務」
1年の総決算と言うべき「決算」であるが、会社によれば、「半期決算」、「四半期決算」といったものがある。簿記でも決算処理は重要な要素として位置付けられている。決算における繰越処理や棚卸、減価償却費の計算は簿記でも行われるが、法人税、消費税などの税務に関することは非常に細々としているためぜひ読むべきところである。

第4章「資金繰りと資金調達」
会社を運営していくに当たり資本金などの金銭は必要である。大金持ちであればある程度の資産は自分自身で賄えるものの、大概は銀行の融資によりお金を借りるということを行わなければ会社は成り立たない。融資を受けるために決算の明瞭かと資金繰りと言うのが大事になる。本書は資金繰り表や融資にまつわる書類から経営分析に至るまで紹介している。

第5章「各種税金と基礎知識」
経理業務の中で決算の次に複雑な業務なのが税金である。会社にまつわる税金でも「法人税」をはじめ、「前線徴収にかかわる所得税」、「消費税」「固定資産税」「住民税」「事業所税」「事業税」など多岐にわたる。それぞれに関して税金の計上方法や書類も違ってくるため注意が必要である。

第6章「会社の法務」
「法務」と言うと経理ではあまりピンとこない。実は「法務」という仕事は経理がやっているとは限らない。総務が行う所もあれば、「法務部」もしくは「法務課」で行うという会社もある。では「法務」とは何をするのだろうか。これは契約書に関する業務、企業をするにあたって創立や設立、建物の借用、不動産登記、株式会社としての登記を行うことに関しての業務を行う所が法務に当たる。

知られざる総務と経理の世界は、代わり続ける方の中でどのように会社を遂行していくのか老いう重要な役割を担っている。
もしも会社が一つの「家族」だとするならば、「営業」や「商品開発」、「企画」といったところが「父」、経理や総務が「母」の役割を担う。なぜかというと屋台骨を陰ながら支えているに他ならないからである。