ダンゼン得する 個人事業者のための会社のつくり方がよくわかる本

著者の原様より献本御礼。
「不況」「不況」と言われている時代というと、新規事業を立ち上げ、会社を興すという所も多い。特に2000年の時は日本にも俗に言う「IT革命」というものが起こり、ITに関する会社が続々と誕生しては倒産していった。不況だからでこそ起業のチャンスと考えている人もいるが、企業をするにはどのような手続きを行えばいいのかということに疎い人も少なからずいる。本書は記号をするメリットから、どのような手続きが必要なのかについて細かく書かれており、さらに巻末には実践編も用意されているため、いざ起業しようというときには必需品となる一冊である。

第1章「会社をつくるメリットとデメリット」
会社を興すとなるとそのメリットとデメリットを上げるだけでも枚挙に暇がない。メリットとしては給与を支払う、社会保険を加入することができ、事業の承継や売却といったことが可能である。さらに倒産をしたとしても有限責任のため、個人資産が守られるというメリットがある。
それに対して、運営のコストが高く手続きも面倒である。

第2章「個人事業と会社組織はどっちが得?」
「個人事業」と「会社事業」に関してどちらが得かというのを全部で46種類のケースについて説明されている。第1章のように手続きから、税務、社会的貢献に至るまで個人事業にしたらどのようなメリットがあるのか、デメリットがあるのか、会社事業にしたらどうなのかというのが分かりやすく見てとれる。

第3章「事例に基づいて税金を計算してみよう」
こちらは個人事業、会社の税金のかかり方ということについて書かれている。
会社を設立した場合、「法人税」などの費用がかかることを考えると個人事業の方がいいのではないかと考えてしまう。しかし、それは大きな間違いであり、個人事業でも「事業税」がかかるだけではなく、事業主の所得税や法人税は会社設立よりも高く計上される。また消費税も別に経常費勢も計上される。それらを計算すると結局会社設立の方が節税のために良いという計算がなされるという。
会社設立のメリットが存分に表現できる結果となったのだが、反面個人事業で考えている人にとっては若干耳の痛い話であると同時に、このような税制になった経緯と言うのも知る必要があると本章を読んで思った。

第4章「会社について詳しくなろう」
会社と言ってもどのようなものがあるのかというと会社の種類から、株式上場、取締役などの機関設計の違いなど、多岐にわたる。

第5章「実践・会社のつくり方とはじめ方」
ここでは会社を起業するための準備と開業のための準備をまとめたものである。手続きが非常に多く、何も知らない場合それだけで時間に追われるという人も出てくるため、企業をしようと言う人であればぜひ読んでいくと良い。非常に分かりやすく書かれており、どのように行うべきなのかという手順も書かれている。

企業はメリットがあると同時に大きなリスクがはらんでいる。そのリスクに立ち向かい企業をするという人であれば手続きに関連することは本書を傍らに置くと良い。