会社でチャンスをつかむ人は皆やっている!一流の部下力

株式会社オトバンク 上田渉様より献本御礼
会社員単位での仕事力、もしくは上司のための本といったものであれば山ほどあるが、こういった部下とはこうあるべきだという本はなかなかない。社会人として生きて行くに当たり、どのような部下であるべきかという道標を示してくれる一冊が本書である。

CHAPTER 1「一流の部下は「スタンス力」が一流!」
学校では「先生」と「生徒」と言う間からであるため「先生」から何でも教えていただける。しかし会社に入ればそうはいかない。「上司」と「部下」の関係になるだけではなく、部下は上司のことを教えてもらいながらも会社に対して対価を払う、それは「業績」や「実績」というものを与える側に回らなければならないため、上司はただ「対価」を払う必要性を教える存在でしかない。

CHAPTER 2「一流の部下は「印象力」が一流!」
印象とはいっても「恰好」ではない。見た目のみならず、声、仕草、言葉づかいなどビジネスにおけるマナーが備わっているかという所が「印象」と本書では定義されている。特に印象を鍛えるためには、世代の違った人たちとの交流や、様々な勉強、そして顔の印象を高めると……行きつくのは、おしゃれに金を駆ける暇があったら、自己投資を行え、に行きつく。

CHAPTER 3「一流の部下は「コミュニケーション力」が一流!」
「コミュニケーション力」と一概に言っても様々なものがある。会話力、傾聴力、質問力、レスポンス力…と多岐にわたる。
人と人との間には会話だけではなく、反応や印象も「コミュニケーション」の一つと考えると第2章の印象づくりも又、コミュニケーション力向上の一つと言える。
ここでは「論理的な会話」よりも「報連相」や質問、意見が中心にある。

CHAPTER 4「一流の部下は「信頼構築力」が一流!」
仕事や会社は人と人との信頼関係の上で成り立っている。この信頼は築きにくく、崩れやすい特質をもっているが築き続けることによって強固な関係を築くことが可能になり、場合によれば出世の道も開ける。ここでは、信頼関係の築いている上司・部下はどのようなものか、そうするにはどうしたらいいのかというのが掲載されている。
仕事のスキルばかりではなく「人間的な魅力」を持つことも大事であるという。

CHAPTER 5「一流の部下は「仕事力」が一流!」
ここでは「仕事術」ではなく、「仕事力」のことであるが、その違いとは一体何なのか、簡単に言えば、「ノウハウ」での「術」と「心構え」としての「力」という違いがある。
仕事においてあらゆるノウハウがあったとしても、「心構え」といったことを忘れては元も子もない。

CHAPTER 6「一流の部下は「成長力」が一流!」
成長をするためには、自分の力を疑い続けることが大切だとつくづく思う。先日9年連続200本安打を達成したイチローも868本塁打を放った王貞治も自分のバッティングに満足をせずに力を伸ばし続けて行った。自らのバッティング、力を疑い、悩み続けることによって力にしていった。
これは仕事の場においても通用するのではないのかとつくづく思う。自分はどのような力を備わっているのかというのは「ジョバリの窓」にある様にわずかしか理解できない。苦手なところでも、不器用でも自分なりに「続ける」こと。そしてその結果に満足せず改善点を見出して行くことで、「気づかぬうちに大きく成長する」ことができるようになる。

CHAPTER 7「一流の部下は「困った上司の対応力」が一流!」
上司もまた「人間」であるので、様々なタイプの「上司」が存在するが、本書では大きく、「デキル」「キレル」「タヨル」「トラブル」4つに分割している。全部カタカナの「ル」におくことができたのは偶然なのか、それとも意図的なのかは分からないが。

CHAPTER 8「一流の部下は「志力」が一流!」
おそらく、本書の中でも最も強調される所と言える「志力」。そう、自分の「意志」を持つことであるという。物事を成し遂げること、部下思いであること、上司の意見をくみ取りながらも懐に入っていけること、縁を持ち続けながら、様々な場で活かせること、そして何よりも「ビジョン」が明確であること。そのことによって、自分に磨きがかかり周りから「一流」と称賛される。

本書を読んで思ったことが一つある。CHAPTER6で少し触れたが、「一流」や「プロフェッショナル」というものは「意識」をして身につけるべきなのか、それとも「自分は一流だ」「自分はプロフェッショナルだ」という意識を持つべきなのか、である。
自分の考える最大限の仕事と本書で紹介されているように、他人のためにどのような価値をもたらすことできるのか、と言うのを鍛え続け、仕事を続けて行くことによって実感をするというよりもむしろ、そのことに一直線である。そしていつの間にか上記のように称賛されるのではないだろうかと考えさせられた一冊である。