結果を出す人の勉強法 – 評価、信頼、報酬、ワンランク上の仕事を手にする学び方

先日のセミナーで講師をなさった方の一冊である。
巷にはたくさんの勉強術が存在しており、こういったご時世なのだろうか勉強をする社会人は非常に多い。たとえば私のように読書によって仕事を糧にする人、セミナーや勉強会に参加することで学ぶ人も増えており、経済誌やビジネス紙でたびたび取り上げられている。
しかし、それが自ら血肉として、自ら仕事に落とし込み、結果に変換していけた人はあまり聞かないという。本書は「結果」を出す、そのために検証をすると言うような勉強の心構えについて書かれている。

第1章「あなたは【成果を生み出す仕組み】を持っていますか」
ビジネスは「価値」の交換といわれている。
しかし、「1,000円あげるから1,000円ください」というような等価交換ではなく、いただく価値以上のものを提供するにほかならない。その方法は量であれ、質であれ存在するのであるが、価値以上のものを提供するためにどうしたらいいのかという勉強を行い、実践を行う必要がある。その心構えは次章以降に書かれている。

第2章「成果を生み出す【勉強サイクル】を身につける」
勉強によって実りを得るためには、勉強後の「行動」を行わなければならない。行動をしなくても得られるものはあるのだが(知識を得る程度である)、それを自分の行動によって成果を得たり、方法のフィードバックを行うことができるという観点から、「行動」がテストといっても過言ではない。

第3章「実践を目的とした勉強術①「本」から効果的に勉強する方法」
ここではあくまで「実読」によるアウトプットについて書かれている。よく勉強書では読書をもとに行動をしていくということが大切といわれているが、度のように行動を行い、検証をすることによって身につけるべきなのかというのが書かれている。
それだけではなく、読書によって身につけられる文章術や読解術というのも紹介されている。

第4章「実践を目的とした勉強術②「人」から効果的に勉強する方法」
「アイデア」や「知識」、「生き方」に至るまで、本で生えられないようなものが人と出会うことによって得られることがある。
本章では他人の技術を得るにはから始まり、他人の失敗談、そして自分の話し方など人と出会わなければ気づかない所をどのように学べばいいのかというところについて書かれている。
日本の職人芸は専ら修行によって学ぶこともあれば親方や先輩のやっていることをみてその技術を盗むということもある。本書は後者を勧めながら、教師であり、反面教師とみながら自らの血肉にしている。

第5章「効果的な【検証方法】を身につける」
勉強にしても「PDCAサイクル」というのがあり、本章では「C(Check)」や「A(Action)」をいかにすべきか、ということを紹介している。勉強もビジネスと同じように最初からプロセス、そして結果に至るまで完璧になるということはあり得ない。
結果がよくてもプロセスの中でうまくいかなかったこと失敗したことは必ずある。それは勉強方法、もしくは実践方法に間違いがなかったのか、手順を入れ替えたり、学習方法をカスタマイズすることによって学習や実践に磨きをかける所といえる。おそらく勉強法の中で根幹をなすところといえる。

第6章「勉強する【モチベーション】を維持するために」
勉強や情報収集、実践術はある主「経営」の在り方に近いものがあるように思える。
勉強にしても100を完璧に知識に落とし込むよりも、60でも70でもいいから見切り発車の形で実践に移し、それをフィードバックすることによって新たな学びを身につけるというような形を取る。それが上昇のスパイラルとなり、「知っている」から「している」へ、そして「できる」へと進化していく。人は進化するように、仕事も進化を続けていく。それをいかに早めさせるか、具体化させて結果に結びつけていくかはあなた次第である。

世の中には資格勉強や、仕事術に関して勉強をするという方法は山ほど存在する。スケールが大きすぎると思うが星の数といっても過言ではない。しかし、それをどのようにして仕事に生かすのかというのは、おそらく、どこまで屋っていていても実感のわかないものといえる。もっというと勉強は「パンを食べる」という喩え方をするが、勉強後の実践術は「霞を食べる」ようで実感のわかないところが多い。定年になって、もしくは死ぬまで勉強であるが、それをどのようにして実践を重ねていけばいいのかという一つの道標が本書にある。