たった一人で組織を動かす 新・プラットフォーム思考

平野敦士カール氏といえば「ミスター・おサイフケータイ」「ミスター・プラットフォーム」という異名を持っている。これまで「アライアンス仕事術」「アライアンス人間関係術」「アライアンス「自分成長」戦略」にもあるとおり「同盟(を結ぶ)」による、巻き込み・巻き込まれの術についてであった。

今回は「プラットフォーム」の思考についてどのようなモデルであるか、プラットフォームの構築、最大化、勉強、そしてリーダーシップに至るまで叶えられる「プラットフォーム」についてたった一人からどのようにしていけば良いのかについて書かれている。

第1章「なぜいま新・プラットフォーム思考のリーダーが求められているのか?」
ここでは従来のプラットフォームから新しいプラットフォームの変化、そして新しいプラットフォームを考えられるリーダーの重要性とは何かについて解き明かしている。
今までのプラットフォームは経営者から管理職、部下から顧客へと続く言わば「トップダウン型」のプラットフォームであるが、新しい考え方としては互いに意見や提案ができる環境をつくることにある。
お互いに利益となるために「何のために」を考えることが大切であるという。
・・・「何のために」というと横田氏を思い出してしまうのだが、本章はそれを参考にしたのだろうかと考えてしまう。

第2章「「プラットフォーム」は億万長者のビジネスモデル」
本章の章題だけをみると「プラットフォーム」は億万長者のためのものと思ってしまい、「敷居が高い」という印象を持ってしまう。
しかし、「プラットフォーム」を構築するにあたり「敷居」は関係もなく、どんな人にでも「プラットフォーム」を構築することができるチャンスはある。
本章はゲーム機、さらには著者が携わった「おサイフケータイ」についてのモデルを挙げている。

第3章「企業はなぜ中間管理職のリーダーを求めるのか?」
著者が見聞きした話を中心に、中間管理職の現状と求められる中間管理職リーダー像について書かれている。
中間管理職の現状を知りたい方には必見の章と言える。

第4章「誰でもリーダーシップが見につけられる15の法則」
新・プラットフォーム思考のリーダーになるための身につけるべき鉄則が本章では15個挙げられている。巻末にもまとめとして同じものが挙げられているが本章では具体的にどのようにしたらいいのかを交えながら説明されているため、鉄則を実行したい方はまずここから呼んだ方がよい。

第5章「「プラットフォーム」を最大化する18のアライアンス術」
第4章からさらに12のアライアンス術、6の人脈術を挙げている。アライアンスによる「巻き込み」「巻き込まれ」二よるプラットフォーム構築は決して一人だけではできない。交渉やギブなどを駆使して、「相乗効果」を生み出させることで、「プラットフォーム」を構築させることができる。

第6章「時代を読むための知識が身につく「プラットフォーム」勉強法」
勉強も相手を「プラットフォーム」を用いて互いに切磋琢磨しながら力を付けていくというものがある。これで一つ手っとり早いのが「勉強会を開く」ことにある。もっというと「主催者」になることにより人脈構築を加速化させる。本書の根幹である「プラットフォーム思考」という炎を強くさせるには「知識」という名の酸素が必要である。また、ビジネスにおけるヒントは決して現場やビジネス所ばかりではない。小説や一般書など関係ない分野にもヒントはある。それをどれだけ拾っていけるのかはあなた次第というべきだろう。
本章の後半では著者独自の英語勉強法が紹介されており、英語を勉強したい方にはお勧めの所である。

「プラットフォーム」の構築は難しいが、時間をかけながらも、様々な考え方を習得したり、ともに思考を張り巡らせながら、相乗効果を出し、ビジネスで成功するモデルを作る。「プラットフォーム」はいったんできてしまえば早いが、それまでは失敗の連続が続くことが多い。しかし「失敗は成功の母」という諺があるとおり、失敗から学べる要素はたくさんある。失敗をするためにはまず「行動」をすること、そして「がんばらないでがんばる」ことが大切である。本書はそれを教えてくれる。