2009年年末恒例企画 vol.3 「社会科学」本ランキング

さてランキングも3日目、今回は「社会科学部門」のランキングです。「社会科学」といえば当ブログでは1・2を争うほどの量であり、ビジネス書を読み始める前まではずば抜けてトップでした。社会問題とともに本を媒介しながら考えをまとめるというのが当ブログでよくやります。今回のベスト5も現在話題となったものを中心に集めてみました。ではいってみましょう。

第5位 「若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!?

今年最大の関心事といえば衆院選。「政権交代」か否かといわれる選挙でしたが、今回ほど重要だった選挙は少なかったのではないでしょうか。その中で若者の投票について書かれた一冊です。これからの日本を担う若者だからでこそ、出るべくして出た一冊だったと思います。

第4位 「血の政治―青嵐会という物語

今回の選挙で敗れ、政権を奪われた自民党。元々自民党は1950年に憲法改正を絶対条件とした保守政党として誕生したのですが、長きにわたる迷走により党として、本当の意味を失ってしまったとしかいいようがありません。

本書は今から30年前に結成された「青嵐会(せいらんかい)」というのが結成されたのですが、メンバー同士の対立が激しく、短い間の夢に消えてしまいました。しかし自民党としてのあるべきポリシーがここにあるのではないかと私自身感じました。

自民党はこれから本当の意味で「変わる」こと、そして「原点」を見直すべきではないでしょうか。

第3位 「ゲームと犯罪と子どもたち ――ハーバード大学医学部の大規模調査より

ゲームと脳、そして犯罪についてこれほど冷静に分析された一冊はありません。日本でも新書を中心に分析された本はありますが、サンプル数や個人的な感情が強く、「ゲーム=悪」「若者=悪」というような構図をつくらせているとしか思えません。

本書は、約500人ものサンプルから、多岐にわたる考察が行われているため、良さ・悪さを見事に解き明かした一冊だと思いました。

第2位 「あの演説はなぜ人を動かしたのか

2009年1月20日にバラク・オバマが米国大統領に就任いたしました。アメリカ大統領選、民主党候補選ではオバマの演説でマスコミが注目を集めました。就任演説では、様々な観点から演説を分析したコラムが出てきたわけですが、本書はストーリーの法則の観点から考察をし、理想の演説とは何なのかについて解き明かした一冊です。

また本書では、郵政解散・郵政選挙と言われた小泉純一郎の演説についても取り上げられています。

第1位 「思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本

実は最も良かったというのもあるのですが、それ以上に、右のアクセスランキングにもあるとおり、コンスタントにアクセスをされた結果、年間で最もアクセスされたページにもなりました。

「法を守るだけ」「倫理を守るだけ」というようなロボットにならず、本当に会社としてどのように貢献をすべきかを考えろという警鐘を鳴らした一冊でした。

今年の「社会科学」は冊数が多かっただけに、選定が難航してしまいまいしたが、自分としては満足できるランキングだと思います。

明日は「人文部門」です。