最新データで読み解くお天気ジンクス

TVニュースや新聞、インターネットで見る「天気予報」であるが、天気の傾向から様々な政局や社会に関して予測をするというようなことがTV番組のコーナーやインターネットサイトにある。

天気、1年間の気温や天気の状況などと社会的な事柄との因果関係は科学的見地で証明することは非常に難しいが、口では説明できない「何か」の関係はあるのかもしれない。

本書は最新のデータから天気のジンクスについて社会的事柄に限らず、健康、異性関係など多岐にわたるジンクスを紹介している。

第一章「株価とお天気」
まずは平均株価と天気模様であるが、個別の株価であれば、夏や冬の天候によって需要が動き、経済が活性化するか減退する。そのことにより変動することがあるため、天気と経済の因果関係はあると言える。
特に衣類がその影響を受けるのかもしれない。ほかにも夏場ではビールも変動する。しかしおもしろかったのは夏場とは言えど、余りに暑すぎるとビールを買ったり、ビアガーデンに行ったりする事が億劫になるため、あまり売れないとのことである。暑くても冷えたビールを飲むという快感が上かなと思ったのだが、どうやら限度というものがあるのだろう。

第二章「健康とお天気」
このタイトルに関連するものと言えば、「花粉症」「インフルエンザ」「食中毒」などが関連している。
しかし他にも、梅雨の時期はジメジメしていると気分が沈み、「うつ」になるという。他にもリウマチ、関節痛についても天気との因果関係を示している。

第三章「女心と男心」
女性にとっては男心、男性にとっては女心を理解するのは、転機を知るよりも難しいことだと考える。これほど気まぐれなものはないからである。本章ではそう言った「心」だけではなく、デートはどのような天気が良いのか、告白はどういったものが良いのかについても解説している。但し強調しておきたいのは本書は「天気」に関する本であり、恋愛術の本ではない。天気の観点から見てこうした方がいいという意見であると思ってみた方が良い。
そして男女関係でちょっと面白いものがあった。「夫婦喧嘩注意報」という予報が2007年、北海道で発令された。これはフェーン現象により、日中急激に気温が高くなり、夫婦の怒りが増大し、夫婦喧嘩が起こりやすくなると気象協会北海道支部が発令したものであるという。
ちなみに当時、私は大学生であり、北海道在住であり知っているだろうと思いなのだが、その時期は就職活動中で毎日てんてこ舞いであったため、TVを見る暇さえなかったため知らなかった。しかし、いつ起こったのかは知りたいところである。

第四章「社会ジンクスとお天気」
天気は、社会的なことで様々なジンクスが起こる。本章の最初ではプロ野球、とりわけセ・リーグの優勝によって今年の天候はどうなのか、統計をもとに割り出している。
さらに今月から開催されるオリンピック、自民党総裁選に至るまで、天気に左右されるものが多い。

第五章「昔からのお天気俚諺(りげん)」
「俚諺」とは「民間で言い慣わされていることわざ」を表わしている(いつもの辞書より)。諺というよりも、朝焼けや夕焼けなどが起こったら天候はこうなるというものを説明している。例えば「猫が顔を洗うと雨」が挙げられる。

普段あたりまえのようにある天気。この天気は出かける、もしくは選択をするなど日常的なことでどうするかの一助だけではない。社会、健康にかかわる所まで考える、予測する材料の一つに挙げられるのも天気である。天気予報は奥が深い、そう思わせる一冊である。