本当に必要な人を引き寄せる 頭のいい人脈の作り方

昨今「不況」と呼ばれている。この響きだと会社にいられなくなる、明日の生活も困るといったどちらかというとネガティブな感情に支配されがちになる。しかし「明日会社にいられないかもしれない」となると、自分自身が身につけられるテクニックやノウハウということが重要視されてくる。

その一つの手段として「勉強会」や「セミナー」というのがある。その中で名刺交換などで出会うと思うが、もっとも効率的、かつ戦略的な人脈を持つためにはどうしたらいいのかを本書では提示している。

第1章「なぜ「人脈」が必要なのか?」
今となっては安定した仕事も保証されず、ましてや安定した給与も保証されなくなった。そのことから自らのスキル・ノウハウを強める勉強に参加し、その中で異業種の人脈を広げることができる。
しかし、「ただ」人脈を広げるだけではおざなりの関係だけになってしまうだけである。自分が夢を叶えるため、そして自分の仕事のカンフル剤にする人脈を持つ。そのために限られた人脈で「ネットワーク」を構築することが大切とされている。

第2章「「夢」を描けば人が集まる人になる」
では効率的、かつ密度の濃い「人脈」を構築するためにはどうしたらよいのだろうか。それは「夢」を持つことである。自分は何をやりたいのか、どうなりたいのかを持ち、それを叶えようという「思い」が人を引きつけ、味方を作ることができる。人を介して「アイデア」「スキル」「ノウハウ」、そして「チャンス」を引き連れてくれる。

第3章「あなたを印象づける「自分ブランド」の築き方」
会社にはいると所属する部署、その上を行けば役職などの「肩書き」を持つことができる。しかし、あくまでそれは「会社内」での肩書きであるため、自分自身の肩書きではない。それが故に自分自身が埋没してしまう。
印象づけるためには「自分ブランド」であるが、中でもオリジナルの「肩書き」を持つことが大切である。これはヘッドハンターである岡島悦子氏の「抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー」における「タグ」をつけるというのとよく似ている。

第4章「人脈作りを加速する「情報発信ツール」の使い方」
情報発信ツールは最近になって増えた。本書が発売されたのは昨年の6月である、その翌月からTwitterが広がりを見せ始めた。自分の情報を発信するためのツールはブログもあるのだが、選択肢が増えただけでも良いことである。
さて、本書と内容が少し外れるが、ブログとtwitterの違いについて見てみようと思う。

ブログ…自分の思ったことを書くことができ、字数制限がない。但し、速報性はそれほど強くない。
twitter…速報性が非常に優れている。但し140字の字数制限があるため、多くは書けない。

主に記述に関してである。自分の思い、意見を率直に言える場として最適なものというと、twitterが急成長しつつある中でも、ブログは強みを持っている。インターネット上で公開されるため、他の人とのつながりも顔は見えないながらも、つながることができるのも利点として挙げられる。
他にも情報発信ツールとして名刺、プロフィール、お礼メール・ハガキが挙げられている。

第5章「会いたい人を引き寄せる「勉強会」の始め方」
著者は勉強会を数多く開いており、どのように勉強を主催したら良いのか、勉強会の良さについて説いている。
私は勉強会に参加する側であるが、主催者の傾向によって違ってくる。主催者と親交のある人、そこからまたネットワークのようにコミュニティがつながってゆき、主催者はそれを通じて学ぶ場を提供する。新しく入る人を歓迎するように名刺交換や懇親会でミーハーながら築くのもよし、コミュニティを細分化し、「分科会」をつくり少なく、深い関係をもつのも手段の一つである。

第6章「価値ある人脈を手に入れるための「習慣術」」
人脈をさらに強固にするためには定期的に経過を報告するということが大切である。これは様々な人脈のビジネス書にも書かれていることである。
定期的に限らずとも一人一人、名刺交換などによって会うことのできた「縁」は図らずとも自分に気付かなかったこと、アイデア、チャンスにめぐり合うことができる。人の縁は侮れない。

勉強会における名刺交換から始まる「縁」であるが、そこから自分の夢をかなえるにはどうしたら良いのか、自分をブランディングするにはどうしたら良いのか勉強会や自身の経験から伝授した一冊である。