iPhoneとツイッターで会社は儲かる

著者の山本様、及び株式会社ダーナ 山本様より献本御礼。
今となってはあたりまえの物となった「iPhone」と「twitter」。「twitter」でも「iPhone」でも仕事においてどのように役に立たせるかについての本は存在するが、本書のように全社導入して現場をがらりと変えたというのは初めて聞く。むしろそれらを会社単位で設けることのメリットがあるのか、どのように変わったのか、そして「iPhone」や「twitter」に限らず、注目されている「クラウド」を使うことの強さを著者の会社で行った実践をもとに説いた一冊である。

第1章「ツイッターを会社で導入する目的とは」
企業単位でtwitterのアカウントを取って商品や会社をPRする場として「twitter」は使われているが、著者の会社ではあくまで「コミュニケーションツール」として「twitter」を導入するという考えにある。最近ではコミュニケーションの向上が企業課題の一つとして挙げられており、上下関係の差が広ければ広いほど緊密に取れなくなってしまう。そこで分け隔てなく会話ができるのに「twitter」に白羽の矢が立ったのである。何でも書いてもよいのだが、唯一「機密情報を漏らさないこと」がルールとしているのみである。

第2章「ツイッターを全社導入して起きたこと」
コミュニケーションを図るといっても誰でもおしゃべりになれ、饒舌になれと言われても性格の問題もあり、難しい人もいる。しかし「twitter」ではそういったことを緩和することができる。140字の世界のなかで機密情報以外なら何でもつぶやけば良い。おとなしい社員が「twitter」の世界で心を開かせ、他の社員との距離を一気に縮めさせることも可能になる。そこからメールにし、そして口頭でのコミュニケーションにシフトをするというのも手段として成り立つ。

第3章「ツイッターのメリット・デメリット」
「twitter」の良いところばかり紹介してしまったが、ここではメリット・デメリットの両方を紹介している…とはいっても「メリット」・「デメリット」も紙一重であり、裏を返せば「メリット」にもなり「デメリット」にもなる。
邪推はここまでにしておいて、「twitter」のメリットと言えばコミュニケーションの向上、アウトプットの向上、140字の制限による要約力の向上、そしてインプット力と様々な力を得ることができる。反面、書いたらボタン一つで投稿ができることにより、うっかり機密情報を漏えいしてしまう危険性がある。さらに会社内の不満を漏らすこともできれば、twitterのやり過ぎによりメールや人とあっての会話がますますできなくなることもあるという。

第4章「アイフォーンとツイッターが会社にもたらすもの」
さて「twitter」をより使いこなせる、またスケジュール管理など様々なツールの利用のため、「iPhone」も導入した。タッチパネル式で入力ができ、持ち運びも簡単であるため、隙間時間でも入力が可能という利点をもっている。

第5章「グーグル・アップスとアイフォーン」
「iPhone」を導入したのはそれだけではない。Googleが企業向けに提供をするサービスに「グーグル・アップス」というのがある。Googleの持っているクラウドを利用してグーグルでメールやカレンダー、ドキュメントを管理することができる。会社で導入するとコストの観点からもサーバー導入がないことを加味しても安価で済む。しかしセキュリティの問題もあり積極的に進められていない現実もある。

第6章「コミュニケーションのクラウド化で会社は儲かる」
「twitter」、「iPhone」をはじめとした「クラウド」を利用する企業は増えている。それと同時に自ら「クラウド」をつくりだし、それを利用する企業もある。しかし積極的ではない。とりわけ第5章にも述べたがセキュリティがネックとなっている。最近では中国や韓国からの大規模なサイバーテロが相次いでおり、セキュリティの重要性や強化がますます叫ばれている。広がりつつあるとはいえ、セキュリティなど、リスクをどのように分散するか、最小化するかが大きな課題となっている。

「iPhone」にしても、「twitter」にしても紛れもなく、技術の進化も早く、それを利用することにより、ビジネスの速度もますます速まる。本書はそれを実行して示したと言える。