もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

組織マネジメント、経営において知らないものはいないと言われる人物、ピーター・ドラッガー。ドラッガーの著書はビジネスのみならず、人生や資本主義社会に至るまで多岐にわたっている。しかし経営や組織に関する本が多いためそのイメージが色濃い。

本書は昨年の12月に出版された一冊であるが、「女子高生野球部マネージャー」と「ドラッガー」と言うのがまさに「異色」という印象が強かった。「経営」や「組織」とは縁遠かったイメージがあったのだから。

しかし、部活動を行っていくうえで一つの「組織」であることは間違いない。ましてや一つの「目的」を持つ、例えば野球部では「甲子園で優勝をする」「試合に勝つ」など、私が中学・高校と所属していた吹奏楽部では「演奏会に出演し、お客様を楽しませる」、もしくは「普門館(東京都杉並区にある、俗に「吹奏楽の甲子園」と言われている)を目指す」などが挙げられる。

部活動においても「経営」や「組織」という言葉は成り立つことが良くわかる。本書はドラッガーの「マネジメント」の本を読んで、実際にマネージャーの立場から野球部を甲子園へ目指すべく様々な手法を試行錯誤しながら取り入れていくという物語である。カバーの印象からして入門編と勘違いしている人も多いと思うが、中身はかなり本格的である。しかしドラッガー本にあるような堅い文章ではなく、主人公のみなみがどのように学び、実践をしていったのかも交えているが、小説であるためいつの間にかドラッガーを学べる錯覚に陥ること、さらにストーリーも深く、いつの間にかハマってしまった。

ドラッガー本は決して企業や会社における組織のための本とは限らない。「組織」というものがある限り、学校でもNPOでも市民団体でも、どれでも当てはまる。

ドラッガーを学び、実践できる可能性は無限にある。本書はそれを教えてくれる。

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