忙しすぎる人のための ビジネス本 読破術

ビジネス書の価値が発揮されるのは、実際に実践をすることにある。仕事の上で何とかしたい、もしくは新しいスキルを持ちたい、効率的に、あるいは生産性を高めたいという人が藁もすがる思いで手に取るビジネス書、本の中身は様々であるが、どちらかというと簡易化したように思える。

本書は読書術の範疇に入るのだが、速読でも遅読でもましてや読書術でもない。ビジネス書を実践しやすくするためにいかにして「読破」をするのかという所にフォーカスをしている。

第1章「必要なページだけが見つかる本の使い方」
まずビジネス書を読む上で心がけることは「読む」のではなく、「使う」という考えを持つことである。著者の実体験をもとにどのように使ったらよいのかを示してくれるが、エピソードや出会った本によって本の読み方の変遷を辿っていくことができる。

第2章「本を使う仕組みをインプットせよ!」
読書のスタイルは人それぞれであり、これと言って「正解」というものは存在しない。読書スタイルを磨くために「読書術」の本を読みあさり、使い倒す人もいれば、全く読まずに自らの切り口で使い倒す人もいる。
本章では「本を読む仕組み」ではなく、本を買う、読む、実践することをひとまとめにした「使う仕組み」を紹介している。
私も読書やその後の実践スタイルは色々あるのだが、何といっても本の内容をすべて実践しようとせず、TPOを見てからどれを実践するのかを振り分けて、「実際にやってみる」姿勢を持ちながら実践を行っている。

第3章「本屋で「アイデアの種」に出会う技術」
「本を読む」ことにもつながると思うのだが、本は他人の脳を借りて考えるとも言える。著者の考え、仕事、人脈などを見ることができる。そしてそこからなるほどと思いながらも自ら取り入れてみることによって考え方も変わってくる。

第4章「パラパラスキャン「読破術」を可能にする3つの鍵」
「読破術」は実践を伴った術である。実践そのものが目的となってしまうと、見えないゴールを突き進む、迷いの森の中を悠然と闊歩する日々がずっと続くのと同じことである。何といっても最終的にはどうなりたいのか「目的」を立てることが先決である。
本章ではパラパラスキャンと題して、著者がどのようにして読書をし、実践するために使い倒しているのかを紹介している。読み方、さらにはマーキングに至るまで特長的である。

第5章「忙しすぎる人ほど相乗効果を生み出す読破術」

「一番多忙な人間が一番多くの時間を持つ」 by.アレクサンドル・ピネ
「時間の使い方の最も下手な者が、まずその短さについて苦情を言う」 by.ラ・ブリュイエール

この2つの名言にあるとおり、忙しい人ほど時間の使い方に工夫をしているだけではなく、隙間時間を使って読書を行っている。読破術にしても、この忙しさから学んだことが多かった。

ビジネス書をいかにして「使う」という所にフォーカスをしている。「読書術」でも「実践術」でもない「読破術」がここにある。ビジネス書は仕事において宝の山であるが、その「宝」をどのように使えば良いのかはビジネス書にヒントは隠されているのだが、答えはいくつも存在しており、自分に合った「最適解」を見つけることである。