頭がよくなる照明術

普段当たり前にある照明も、照明の形、色、強さによって趣や受ける人の気持ちが変わってくる。人間にある感情や音楽と同じくして、照明にもTPOが存在する。本書はいかにもビジネス所のようなタイトルであるが、照明の重要性というのがよくわかる一冊である。これから照明器具を買おうとする人にとっては絶好の一冊である。

私事であるが、私の父方の祖父はずっと公共施設にて照明を管理する仕事に就いていた。血筋なのだろうかどうかわからないが、照明に関して私自身もこだわりを持っている。一時期照明のスペシャリストになろうと思った時期もあり、本気で勉強した時期もあったことから本書は妙に親近感を持ってしまう。

第1章「人の心は光によって動かされる」
人が1日を過ごす中で「光」にふれない時は眠るとき以外全くないといってもいい。朝日の出とともに目覚め、太陽が何中にいるときには仕事を行い、夜はくつろぎ、そして就寝する。
知っているのか知らないのかわからないが光の色、明るさによってその場の雰囲気も変わっていく。本章では飲食店について取り上げられているがファーストフードは蛍光管で直接照らしているところがほとんどであるが、高級レストランや喫茶店では電球のような光を間接照明で照らしている店が多い。
前者は早く食べさせ、回転率を少しでも上げたいという意図からそのようにしており、後者は客に「くつろがせる」ということを念頭に置いている。
仕事帰りでくつろぎたい家にするのであればどちらかというと後者にすべき…の様に思えるのだがその一方で雰囲気が「暗く」なるという人もいる。

第2章「頭も身体もスッキリ!仕事がはかどる「灯り脳」リズム」
人間は1日における太陽の活動と同じくして、明るさをうけとめる動物である。人間が一種の動物である以上そういったことに「あらがう」ことはできない。
1日の行動に併せた照明の調節というよりもむしろ1日の活動のあり方について取り上げている。

第3章「ストレス解消!「眠れない病」は光の使い方で治る」
「ストレス」は何も人や音ばかりではない。明るさにも与える「ストレス」はある。ここではストレスにおける「睡眠不足」と光の使い方の関係性について書かれている。照明の違い、睡眠によって美容や健康に大きく関わるのだが、認知はされるモノの問題視する人が少ないように思える。

第4章「職場の大敵!うつ・時差ボケ・徹夜疲れ解消法」
最近では職場だけではなく様々な場で「うつ」になる人が増えているが、「うつ」の発生する場で最たるところは職場である。ここでは照明とうつについてあまり知られていない「冬うつ」について取り上げられている。この冬うつは病名の通り冬に起こるものであるが、社会的、もしくは自分の周りが要因ではなく、日照時間や光に当たっているかどうかによってかかるものである。あまり認知されていないことからふつうの「うつ病」と同じ様な治療法をとられてしまい、結局直らなかったというケースもあるようだ。

第5章「簡単!疲れ目を防ぐアンチエイジング灯り術」
私は職業柄パソコンと向き合う時間が非常に長い。そのためほぼ毎日の様に「疲れ目」や姿勢に悩まされることが多い。本章によると視力の衰えは20代後半から徐々に始まるという。私は現在24歳。すぐにでも視力対策を講じる必要がある。机上の明るさや姿勢などを見直さなければならないと改めて肝に銘じたところであった。

第6章「意外な発見!心が安らぐ照明テクニック」
最近ではアロマテラピーをはじめとした「リラクゼーション」という体も心もいやすモノが多く見かける。それに頼らずともリラクゼーションを行えるものとして「照明」もその一つとして挙げている。光にもいろいろな種類があり、強さ・色によって感じる力が変わってくる。それだけでクールビスやウォームビズを進めることができるということから光は侮れない。
第7章「自分をすてきに演出する”モテ明かり”」
演出の幅を広げるために照明技術を事細かに言う人がいる。ある種のショーの演出者のごとく振る舞いながら相手に最高の物(事)を提供したいという思いからかもしれないが、こだわり一つで相手が受ける印象が大きく違っていく。モテも照明一つで印象が変わってくる。

「たかが照明、されど照明」という印象が強かったように思える。照明に対するこだわりを持つことによって自らの健康管理や美容にも気遣う事ができる。照明はいかに重要か、というのを本書で教えてくれる。

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