ダダ漏れ民主主義 メディア強者になる!

講談社様より献本御礼。
昨年の8月に行われた衆議院総選挙にて民主党が初めて政権を奪取した。所変われば元サッカー選手の中田英寿のように「自分探し」を行う人もでてきている。

民主主義の形が変容する中でウェブ、とりわけtwitterやUstreamの隆盛が目立つ。この2つに共通するものは「ダダ漏れ」である。本書はダダ漏れが広まってきたことによりどのような変化をもたらすのかについて書かれている。

第1章「ダダ漏れ民主主義とは何モノか」
先ほどのように様々なところで「ダダ漏れ」が起こっている。業務連絡に関してもtwitter上で行うところもあった。その内容には3月6日に放送された「情熱大陸」について取り上げられている。この回取り上げられた人物は横田尚哉氏。その前の年から約1年にも渡る取材だった。横田氏が出演するセミナーにも取材が入ったほどである。この放送後、横田氏の著書が急激に売り上げを伸ばし、なんとアマゾン総合1位にまでなったという。そのことにより前述のように業務連絡twitterが出てきた訳である。
一方で「ダダ漏れ」が広がりを見せたことにより、日本人特有の「秘匿」というのがだんだん薄れたと言えるかもしれない。その反面、結婚式や葬式などおごそかな雰囲気の中でも「ダダ漏れ」が横行するようになった。
そしてもう一つ取り上げられていたのが「電子書籍」である。これは4月に佐々木俊尚氏が書かれた「電子書籍の衝撃」を意識してか、kindleやiPadについても言及している。

第2章「何事も体験しなけりゃ始まらない!」
「ダダ漏れ」が広がりを見せたことにより人生の歩み方にも広がりが出てくる。性格でもせっかち・のんびり、波風たたない人生・波瀾万丈の人生など色々とある。
ウェブの広がりを見せたのと同時に本も読まれるようになっていった。「活字離れ」と叫ばれているが、書籍の総売上高、新聞の発行部数が右肩下がりであることの象徴であるだけであって、全国学校図書館協議会と毎日新聞社が共同で実施している「読書調査」では減少しているどころかむしろ増加していることがわかる。インターネット上の活字とあわせると、むしろ「活字中毒」になっているのでは無いかと考えてしまう。
情報が濁流のように流れる時代だからでこそ、著者は「読書会」の重要性を本章の後半で説いている。しかし、現に様々な形で「読書会」というのは開かれており、「Reading-Lab」などmixiを経由して参加することができるものもある。

第3章「メディア強者になる!」
誰でも「メディア」を持てる時代に入ったからでこそ、「メディア強者」になるための術を身につける必要がある。その筆頭として「質問力」が挙げられている。質問をすることによって相手にとっての興味や掘り下げ方を磨くことができる。
そして掘り下げられるべき物として足利事件での「精神鑑定」、拉致問題、裁判員制度に至るまで取り上げられている。

twitterなどの隆盛によって、TVや新聞といった単方向のメディアから、メディアを持つ者同士がダダ漏れをし合うようになっていった。よく「経済は一流 政治は二流 国民は三流」という言葉もあるのだが、twitterの発展により、国民の意識があがり、ひいてはすべてが一流になること、「ダダ漏れ」は大きな可能性を秘めているのかもしれない。