キャッチコピー力の基本 ひと言で気持ちをとらえて、離さない77のテクニック

「キャッチコピー」の力はつくづく絶大と感じてしまう。「論理」という名の言葉の分解道具を使わずして、たった一言で人の心を引き寄せてしまう(もっとも「論理」には人を引き寄せる効果はあまりないのだが)。

本書はキャッチコピーの魅力について伝えるとともに、いかに効果的な「キャッチコピー」にするべきかについて77個のテクニックにして表している。

ちなみに「キャッチコピー」というと広告などの専売特許と考える人もいるかもしれないが、ブログのタイトルや記事のタイトルを決めるにも「キャッチコピー」は使われるので、誰しも「キャッチコピー」は誰にでもつけられ、必要になる道具である。

第1章「「キャッチコピー力」の基本3カ条」
「キャッチコピー」を作るのは難しい様に思えるのだが、最初に基本を押さえておけば、誰でも作ることができる。ただし、「キャッチコピー」は非常に奥が深く印象に残るものを作るには多大な時間と労力が必要になる。本章はあくまで「基礎の基礎」というスタンスで3カ条の形式にして表している。

第2章「「言い切り力」をつける」
巷で見るキャッチコピーは、結構「言い切る」ものが多い。「言い切る」といっても数字や固有名詞を使って言い切るものもあれば、列挙したり、脅したり、命令したりするなど過激なものもある。いかにインパクトとつける化というのも大きなスパイスになる。

第3章「「読み手」に考えさせる」
本もそうだが「分かりやすい」というのが絶対的な武器と言われている。しかし私はそう思えない。むしろ相手に「考えさせる」、または「引き込ませる」ことも大きな武器となる。
ここでのキャッチコピーは考えさせたり、親身にさせたり、さらに奮い立たせたりする事のできるキャッチコピーについて紹介している。

第4章「「語呂のよさ」を考える」
日本のみならず、国によって様々な「言葉遊び」というのがある。日本では「謎かけ」や「ダジャレ」などが挙げられ、言葉遊びの応用として「落語」や「小咄」、「雑俳(ざっぱい)」もある。「キャッチコピー」はいかに印象づけられるかが鍵となる為、こういった「語呂」を使ったことも使わないわけにはいかない。

第5章「「比喩力」を磨く」
少し小難しい話になるが、文章法の中に「修辞法」というのがある。その中には「比喩」や「隠喩」「擬人法」などがあり、文章表現をする為のスパイスとしてよく使われる。あたかも人や別の物に置き換えることにより、読み手により分かりやすく、かつ印象強く記憶に焼き付ける効果を持つ。

第6章「「名言」を貯金する」

「名言集及び格言集は社会人にとって最高の宝である。
もし前者が適宜の場合に会話の中に織り込み、後者を適切なときにきおくに呼び起こすならば」

これはゲーテが「格言集」で言った名言である。本章では名言をそのまま使うというわけではなく、名言をどのようにアレンジを使い、印象に残らせる
かというのを紹介している。

第7章「「組み合わせ」で化学変化を起こす」
単語の組み合わせによって、今までにない言葉が生まれたり、珍しい異質な言葉ができたりする。これはアイデアを生み出すときにも使われる。
本章では言葉の組み合わせだけではなく、「マジックワード」や「情報の体系化」なども挙げられている。

第8章「「造語力」を身につける」
言葉の組み合わせはなにも既存の言葉だけではない。単漢字や単語の組み合わせで作ることができる単語、つまり「造語」がある。
最近の話題を挙げてみると、「朝」に勉強会などの「活動」を行う、ことで「朝活」というのがある。
他にも「幸せ」を「成す」ということで「成幸」というのもある。
身近なところからでも「造語」を作ることができる。

第9章「「ストーリー」を喚起させる」
著者の真骨頂といえるところと言える。「キャッチコピー」の文章量は一言で終わるものもあれば、400時詰めの原稿用紙に収まりきらないものもある。キャッチコピーの多くはだいたい100文字以内に収まる物であるが、その中でいかにストーリーを読者に伝えることができるかにつて、「黄金律」とともに紹介している。

最初にも書いたが、ブログやメルマガなど自らのメディアを持つことができるようになった今、「キャッチコピー」は誰でも使われるようになる。キャッチコピーは誰でも書くことができ、かつ使い方によって絶大な効果を生み出すことができる。その力を最大限に増幅させるために本書で書かれていることを実践しない訳にはいかない。