ミネラルウォーター・ショック―ペットボトルがもたらす水ビジネスの悪夢

私たちがごく当たり前に飲んでいる「ミネラル・ウォーター」。健康的になりたい、おいしい水を飲みたいと言う願望からできたモノのように思えるが、その中で「水」ビジネスの熾烈な戦いについてはあまり知られていない。さらにこの「水」ビジネスが環境問題の面で悪影響を及ぼしているのもあまり知られていない。

悪影響を及ぼす要因の一つにはペットボトルがある。これの原材料には原油が使われるのはすでにわかっている事だろう。もう一つは「水」そのものである。これがあまり知られていないことであるが、「水」によってどのような影響を及ぼすのか。さらに見てみると一つには「地盤沈下」。地下水の使いすぎにより地盤沈下の起った所もある。さらに河川やわき水も使われるため、水資源の枯渇や水不足により汚染物質に耐えきれなくなるような状態にもなる。

環境問題のことを考えると話は尽きないが、ミネラル・ウォーターの歴史について少し見てみようと思う。実際に「水」をビジネスにしているのは主に商社であるが、ミネラル・ウォーターのビジネスをはじめたのも商社である。1884年に三菱財閥が買収した大阪の銀山から炭酸水を瓶に詰めて売ったことから、である(実際の販売元は飲料メーカーであるが)。
ミネラル・ウォーターへの需要が止まらない限り終わることはないのだが、ミネラル・ウォーターの裏側を私たちは知る必要がある。本書はそれを教えてくれる。