なぜ雇用格差はなくならないのか

非正規雇用の概念が生まれたのは高度経済成長期に入ってからである。ちょうどその頃は経済成長が著しく、正規雇用では人手がまかないきれないということで、「パートタイム」や「アルバイト」を雇い、人材を集めた。一つ前の好景気でも同様のことが起ったのだが、この頃から「非正規雇用」という言葉が多用され、「雇用格差」もあちらこちらでいわれるようになった。「非正規雇用」の言葉自体は日本でしか使われないのだが、それと似た形態は韓国やアメリカなどが行っている。しかし日本ほどこのことについて深刻にとらえている国はないと考える。

そもそも、「非正規雇用」はなぜなくならないのか。それは人件費など費用の削減をしなければならないという考えそのものにある。確かに経営に関して多くの利益を出すためには売り上げの上昇と費用の削減は至上命題であるが、「削減」の中でもまずどこから削減をしたらよいのか、という順序立ても経営者それぞれであるが…。

解決策はあるのかと言うと、国や地方単位、会社単位では行っている所はある。しかし、「格差」と言う言葉はこの世からなくなることはない。人間という以前に「動物」である限りは。というのは猿やライオンといった動物にも「ボス」をはじめ、様々な階級が自然につく。それと同じように人間にも差はあれど、「差」や「格」の違いはある。問題が顕在化されるのは、その「差」の程度と、それについて騒ぎ立てるメディアのせいではなかろうか。