さて、年末企画第2弾は「社会科学」本ランキングです。今年は58冊取り上げました。昨日取り上げた「理数系」とは約5倍もの差、当ブログもそうなのですが、前身の「蔵前トラック」でも書評を始めた当初は「社会科学」の分野は圧倒的に多く、それらの本を中心に書いていました。本の嗜好もあるのですが、自分として、どちらかというと「書きやすい」のがこの分野といえます。今回はこの中から印象に残った本を5冊紹介致します。
第5位:「嫌消費」世代の研究――経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち
「嫌消費」や「欲しがらない」と言った言葉を発端に「若者の○○離れ」と言う言葉を良く聞くようになりました。いわゆる「俗流若者論」と言われる耳障りなものですが、本書はそういったものではなく、あくまで「分析」をしながらも、その人たちが出す新しい「経済のうねり」というのを考えさせられる一冊でした。
第4位:ミネラルウォーター・ショック―ペットボトルがもたらす水ビジネスの悪夢
普段飲んでいるミネラル・ウォーターですが、その「ミネラル・ウォーター」を巡って激しい競争が繰り広げられていたと言うことを教えてくれる一冊でした。
まさに「ホットな一冊」と言うべきでしょうか。今年の6月にワールドカップが行われ、日本は2大会ぶりのベスト16入り、さらにはスペインが初優勝となり大盛り上がりでした(開催前は冷やかでしたが)。
で本書はそれも盛り込みながら権力闘争や政治的な所を考察した一冊ですが、FIFAのダーティーな政治争いは「買収疑惑」という形で具現化されてしまいました。そういう意味で「今、まさにホットな一冊」という皮肉な表現になってしまいました。
デフレについて、まさに「斬新」な切り口でもって考察を行っている一冊です。賛否両論はありますが、提言や考察が非常にユニークで、印象に残った一冊でした。
第1位:電子書籍の衝撃
「今年」を象徴する一冊というとこれを挙げないわけにはいかないでしょう。iPadの発売、さらには日本発の電子書籍プラットフォームが次々と誕生した年でもあります。「電子書籍元年」という名にふさわしく、電子書籍で何が変わるのか、そして書籍の歴史など、一時期集中的に取り上げていた佐々木俊尚氏独特の視点が強く印象に残りました。
次回は「文芸・評論」
コメント