災害と福祉文化

「天災は忘れた頃にやってくる」

まさにその通りかもしれない。今年に入ってから立て続けに自然災害が猛威を振るっている。日本海側では記録的な大雪による被害が深刻化している。年末年始は山陰地方を中心に交通麻痺が起こり、帰省ラッシュ・Uターンラッシュに大きな影響を与えた。

つい先週には宮崎の新燃岳で噴火が起こり、飛行機では欠航も相次いだ。噴火の余波は今も続いており、今後も余談を許さない状況である。

両方にいえるのだが、災害が起こると規模にもよるが避難をする場合もある。そうなっては普段の生活に戻るには歳月がかかる。

本書はそのような災害への被害から福祉活動をどのように進めているのかについての考察を行っている。自然災害でもっとも被害に遭う可能性が高く、普段の生活に戻ることもままならないのが、医療福祉、社会福祉に頼らざるを得ない人たちである。

災害や防災にまつわる本はいくつか読んだことはあるが、災害と福祉をいかにして行えばいいのかについて書かれた本は初めてである。ましてや「重箱の隅」という表現が正しいかどうかわからないが、あまり知られていないが、災害の傷跡からどのように福祉活動が行われているかについて勉強になった一冊である。