知人である阿部氏の一冊である。著者は現在パーソナルトレーナーや健康スポーツ講師として活躍している。肩書きにあるとおり健康やスポーツにまつわる仕事をしていることから本書は健康にまつわる一冊となっている。
多忙や不規則なことが多い時代だからでこそ、「健康」に関して向き合う必要のあるこの時代、理想とかけ離れている現状をみると「もう二度と戻れない」という絶望感をもってしまう人もいる。ましてやがんばろうと思って意気込んで実践をした結果、夢半ばであきらめてしまう人もいる。
本書はまず自分のカラダと向き合いながらトレーニング、食事、調整を行いながら理想のカラダに近づけるかを教えてくれる。
第1章「まずは自分のカラダと向き合おう」
理想を描く前に、目の前にある現実と向き合うことが第一歩である。少なくとも年一回行っている健康診断の結果をみるのも良いが、なんと言っても現在を知る方がよい。現在の体重・体脂肪率などはヘルスメーターがあり、血圧や心拍数は血圧計、胴囲であればメジャーがある。また「体型」であれば全身鏡があると今の体型がどのような形なのかよくわかる。測るだけことによって「今」の状態がわかるし、現に測るだけでダイエットになった人もいる。
第2章「カラダづくりはプランで9割決まる」
現在がわかれば、今度は理想までの距離とそれに近づけるためのプロセスづくり、つまり「プラン」を立てる所に入る。しかしその「プラン」を立てることからダイエットをあきらめる、つまり破綻してしまうことが多い。最初はなるべくこれまでの生活に近い形、軽めの運動や食事抑制をすることから始める。そして著者の提唱する健康法の最も大きな特色が「1日の水摂取量は「30ml × 自分の体重」を心がける」ところにある。私も現在はミネラル・ウォーターでその分を毎日飲むことを心がけている。
第3章「理想のカラダを取り戻すトレーニング」
いよいよ次は「トレーニング」である。トレーニングとは言ってもランニングや腹筋背筋といった激しい運動ではなく、スロトレやドローインといった軽いながらも有酸素・無酸素を変え備えた運動から、普段運動をする習慣をつける事から始める。
第4章「自分を変える食事の取り方」
次は食事である。ダイエットとは言っても極端な食事制限ではなく、バランスを保つ食生活にシフトしていくことが大切である。とりわけ食物繊維は身体の循環に最も重要な要素としてあげられている。朝早くに出社し、終電間際に帰宅する人でも、食生活一つ気をつければ理想の身体に近づけることもでき、かつ毎日「疲れた」というように溜息をするような事も減る。
第5章「疲れとストレスをなくす休養と調整」
運動と食事がくると、今度は休養・調整に入る。おそらく私にとって一番の課題はここである。運動でも身体を慣らすための「調整」もあれば、睡眠やストレスをどのようにコントロールしていくのかも大事な要素となる。
本章で最も提唱しているのは「サウナ」であるが、著者は現在テルマリウムにまつわる会社にも勤めているため、サウナの特性が最もわかりやすく、且つ詳しく書かれている。
第6章「一流に学ぶメンタルタフネス」
一流の人はメンタルに関しても興味を持っており、それぞれトレーニングやコントロールを行いながら、常に高いメンタル力を保っている。著者はインタビューやセミナーなどの中で数多くの「一流」の人を見てきた。その結晶の一つがここにある。
健康に関する本はいくつか読んだことはあるのだが、本書ほどより実践的、かつ無理なくやれる本はなかなかない。運動や食事のダイエット法ではなく、あくまで「健康」を重視しているため、今までダイエット本ばかり読んできた方や、運動をあまりしていない人にはもってこいの一冊である。
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