図解vs文章―ビジネスにはどちらが強い?どちらが役立つ?

最近では「図解」で考える本もあれば、図解によるプレゼン術もある。わかりやすさという観点から「図解」の技術が重宝されるが、文章も同じように重宝されている。わかりやすさだけではなく、解釈のしやすさ、さらにはボリュームといったところでもよりどりみどりである。

「図解の達人」と「文章の達人」の対決、勝ち負けを問わずしてビジネスでどのように役立つか、というのがよくわかるという点で本書は興味深い。それでは、

「図解」Vs「文章」の時間無制限一本勝負、始め!!

1章「久垣啓一流 「図解ビジネス文書」の極意」
先攻の久垣氏の「図解」術である。
今日では様々な問題や課題を企業や国では抱えている。あまりにも複雑すぎて「文章」ではとてもまかないきれない。そんな状況の中で救世主となるのが「図解」である。
図解では「全体」を捉えることが可能であり、かつ文章を起こすための骨組みを構築するために使われることもある。より「抽象的」なもの、全体的に物事を見るのには最適である。

2章「樋口裕一流 「ビジネス小論文」の極意」
後攻の樋口氏の「文章」術である。
企業によっては「小論文」を作らせるところも少なくない。新人研修によっては毎日のように小論文を課している企業もあるのだとか。
最近ではPowerPointなどを利用して図にしてプレゼンテーションをするというものが主流となっているが、報告書や企画書のほとんどは文章にて作られる。
では文章では図解とは違ってどのような特徴があるのか。「論理」という組み立ては図解でも文章でも同じような特長はある。しかし「他社への配慮」や「細部」と言った所では図解よりも文章では勝っている。

3章「対決演習! 同じ素材を図解に、文章にしてみると?」
本章では2008年夏に掲載された朝日新聞の社説を「図解」「文章」にして書き直したものである。1章・2章で紹介した特長が一つのテーマで「図解」「文章」にすることによって浮き彫りとなる。

4章「対決対談! 図解と文章、どちらが強い? どちらが役に立つ?」
いよいよ最後は直接対決…ではなく、両者の対談である。文章にも図解にもそれぞれの特長を持っている。「いいとこ取り」をすることによって、抽象的に理解できながら具体的な所にまで踏み込める着地点まで至ったのだという。

4章にも書いたとおり、図解にも文章にも良い所がある。ビジネス文書にもTPOによって図解に重きを置いた方が良いか、文章に重きを置いた方が良いかというのを使い分ける必要がある。

で、結果は
「図解」Vs「文章」両者リングアウト引き分け。

と言った所か。