最近「自転車」がブームとなっている。運動もできるだけではなく、交通手段として費用がかからないと言うのが大きい。先々週の東日本大震災が起こった時には首都圏の自転車店では自転車の購買が殺到し、即納できないという声もあったのだという。翌週になると自転車の在庫も少なくなっている自転車店も見かけるほどにまでなってしまった。
本書は自転車の魅力と文化の発展について自転車についてゆかりのある人物が議論をした一冊である。
第1章「自転車の楽しいところ便利なところ」
私も大学に入学する前までは雪の多い時期を除いて自転車を使っていた。それ以降はいっさい自転車に乗っていない。それはなぜか。大学生の時は坂だらけの街であり、自転車を使ったとしても、押しながら帰ったとしても負担になることが多い。ましてや下り坂だと、交通事故になりかねないため乗らなくなった。で、現在はというと、交通網がかなり良いところにあるため、自転車を使う必要がなくなってしまったことに尽きる。
最近になって私の住んでいる所の周りでも面白いところが出てきており、また自転車に乗ってみようと画策中である。
高校までの中で持っている「自転車の魅力」とはいったい何か、と考えると私の中では「活動範囲の広がるツール」の一種である。休みの日には昼頃から日が暮れるまで自転車を運転しながら色々な所に言っていたことを思い出す。
第2章「自転車文化、これからどうなる、どうする」
自転車文化はいつ頃から生まれたのだろうか。
自転車そのものが生まれたのは1817年、ドイツのカール・フォン・ドライスの発明によって誕生した。日本にやってきたのは1870年、ちょうど文明開化が起こった時期であり、当時は「ペニー・ファージング」と呼ばれる、前輪が巨大な自転車が誕生した時期でもあった。その時日本では「自転車」と呼ばれず、ペニー・ファージングの形から「だるま車」と呼ばれていた。今の自転車の形となったのはそれから約20年後の事である。
現在では自転車の使用が増えている一方で、自転車を取り巻く環境は、様々な「規制」によって、できる範囲が狭まっている。
他にも首都圏などでは「駐輪」する場所が限られていること、さらには「駐輪」のモラルに関しても頭を悩ませている。
第3章「日本の政治を動かそう」
「自転車」と「政治」、一見してあまり接点がないように思えるのだが、自転車が道路交通法上「車両」として扱われている以上、自転車も法律に従わなければならない。
本章では「自転車税」や「自動車専用道路」にまつわる議論がされている。「自動車専用道路」についてはサイクリングとは違った趣があるため賛成である。
本章の後半には自民党総裁の谷垣禎一氏へのインタビューが取り上げられている。自転車連盟の会長であり、財務大臣に就任したての頃には「自転車」について取り上げられていた。昨年頃には自転車で事故を起こして、大怪我をしまったこともある。
自転車は交通手段であり、活動範囲を広げる道具であり、かつ運動にもなる。怪我や夜道、雨などのリスクはあるとは言えど、自転車の魅力は最初に書いたような「機能」としての観点ではなく、「ロマン」といった心的な要素もある。
自転車の可能性は無限にある。本書を読んでそう思えた。
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