HPやテレビでよく聞く「プレスリリース」とはいったい何なのか。調べてみると、
「行政機関や民間企業などから報道機関向けに発表された声明や資料のこと。(Wikipediaより)」
とある。
新聞社などの公的機関を媒体に情報を公開、もしくは放出することを総称して「プレスリリース」と呼ばれている。
著者は前著にも書いていたが「プレスリリースはラブレターである」と主張している。
本書は企業や個人単位で「テレビ」を媒介とし、低コストでありながら200倍もの利益を上げられるようなPR戦術を伝授した一冊である。
第1章「テレビ番組はこうして作られる」
TV番組には「情報番組」や「バラエティ番組」など様々な番組がある。本章ではまさに「放送作家」だからこそ書ける所の「TV番組制作」の裏側について概要であるが、紹介されている。
孫子の言葉の中に「敵を知り己れを知らば、百戦して危うからず」と言うのがあるが、まさにその言葉が当てはまる章である。
第2章「リリースを書く前に考えること」
TV番組のことは理解し、いよいよ「プレスリリース」を書こうとお思いかもしれないが、ここではそれを行う準備段階として「目的」「PRをやる理由」や「方向性」を明確にしていく必要がある。本章では、それを提言している。
第3章「PRネタの見つけ方」
いよいよPRを書くところに入っていく。ネタを見つけるためには様々なアイデアを出す必要があるが、ここではネタの「ブレイン・ストーミング」を「ネタ100本ノック」と題して紹介している。
第4章「プレスリリースはこう書いて送る」
ネタが見つかったらいよいよPRを書いて、放送局に送る。PRとはいったい何なのかを改めて紹介すると同時に、PRをどのように送るかまで伝授されているところを見ると、PRづくりのプロセスはなかなか奥深く思える。
第5章「採用が決まったら」
「採用されるPR作成術」というタイトルだったら前章までとなってしまうが、PRが採用されてからが、本当の「PR」の始まりである。
商品を送付する、または広報担当者と番組制作差との折衝などのことについて紹介されている。広報担当者の立場、番組制作者の立場それぞれの事情が織り込まれており、両者の視点に立ちながらいかに準備をしていけば良いのかわかるため、採用された後のプロセスも本章を読めば慌てることはない。
第6章「これがテレビに好かれる広報人だ」
これも広報担当者と番組制作者双方の立場に立って見ている所である。番組制作者にとって広報担当者がこうであってほしい、と言う願望であるが、まさにその通りとなると、制作者と広報の相性も良くなり、トラブルにならず、かつ広報の効果も大きくなる。
第7章「PRのためのネット戦略」
PRをやるのはテレビだけではない。ネットでも少ない費用で絶大な広告効果を発揮することもある。本章では自社サイト、ブログ、SNSなどを利用した「ネット戦略」について紹介されているが、ネットの場でもPRは役に立つ。
第8章「会社の危機はこう切り抜けろ」
「ピンチになったときこそリーダーの本領が発揮される」ということをどこかで聞いたことがある。記憶に新しいものでは「東京電力」や「みずほ銀行」が挙げられる。
そういった会社の存続危機がたたされたほどの状況こそ、名誉回復に役立てる手段としての広報のあり方について提言をしている。
本書は「広報」の為の一冊であるが、PR書きだけではなく、採用された後のPR方法、さらにはネット戦略や企業危機の対処法など、社長や営業パーソンなど対象範囲が幅広い。それだけPRや広告は重要なものである、そういうことを物語っているように思えた。
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