「資本主義」と「共産主義」、そして「社会主義」と、国家主義には様々なものがある。私たち国民はそれらをどのように受け止められるのか。
日本では「資本主義」であり、中国は「共産主義」の体制を取っているが、言論的な統制など細々としたものを除くと、私たちの生活にはさほど大きな違いはない。
では「資本主義国」と「社会主義国」における国民生活の違いとはいったいどこにあるのだろうか。もしあるとしたらそれはいったい何なのだろうか。本書は著者自身が70年代にユーゴスラビアへ留学した体験談を元に、そしてポーランドへは80年代に聞き取り調査を行ったものを元にして社会主義国に生きる市民たちの視線から歴史を追った一冊である。
今から20年、ないし30年もの前の一次情報と歴史から見る二次情報からの考察と言えるのだが、20年前、30年前の様子と現在とでは違うことは想像に難くない。
しかし20年ないし、30年前は「社会主義国」であった事は間違いない。その中での生活を垣間見る資料はなかなかない(「創作」にまで裾を広げられればあるのだが)。そういう意味では貴重な一冊と言える。
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