田舎の日曜日――ツリーハウスという夢

本書は浅間山の山麓で25年以上も山小屋で生活を続けている方の自伝+詩集である。
浅間山は長野県と群馬県のちょうど県境に位置する山で一昨年にも噴火が起こっている活火山として知られている。そのため火口付近には近づくこともできず、登山も他の山以上に危険を伴われる。

とはいえ浅間山には避暑地や浅間園、白糸の滝などスポットも数多くある。
著者は詩人であるため、各章に詩がちりばめられている。それも楽しめるのだが、何と言っても著者自身の25年間以上の山小屋生活の中で体験した「四季」を、活字を通じて体験することができることに魅力を感じる。

喧噪にまみれた都会を離れ、木漏れ日とさえずりの響き渡る環境の中で何を思い、何を愉しみ、何を作り、何を見てきたのか。本書はそれがいっぱい詰まっている。