(株)スタジオビビ 乙丸様より献本御礼。
東日本大震災が起こって約2ヶ月経ち、復興への歩みもすすみ始めた。地震が起こってからしばらくして世界中の方々からエールが送られた。その一言一言に日本に対する思いが込められていた。
震災により多くの命が失われ、生きる希望をも奪われた。
著者はこの震災を思い、これまで進めていった計画をすべて捨て、復興を願い本書を出版した。
「かつて「どん底」を味わってきた人生の中で、今自分が何を伝えられるのか」
そのことを思って。
第1章「くじけない毎日のために」
「くじけないこと」
これは簡単なように見えて、その実はなかなか難しい。現に震災に見舞われて未だに立ち直れず、くじけそうな毎日を送っている方々がいるのだから。
著者もまた「くじける」ような毎日を送っていた。幼い頃から「吃音症」に悩まされた。社会人になりたての頃もそれが尾を引き、職を転々をしていった。その後結婚し、現在の会社に就いたのだが、そこでも多くの苦難があったのだという。
本章では著者の人生をさらけ出している。しかし講演やこれまでの著書でも書いていないような過去までさらけ出しているところをみると、著者の「強さ」というのをかいま見たような気がした。
第2章「本当の成功って」
「成功」
ビジネス書や自己啓発書ではこの言葉があたりまえのように出てくる。
では「成功」とはいったいどのようなものなのだろうか。これは人それぞれである。ただ言えるのは「成功」する事が人生なのか、ということにある。著者は「成功」する事よりも「成長」する事が大事であることを言っている。
「成功」は「成長」と共にやってくる。しかし「成功」という言葉にとらわれず、自分自身の「軸」をもって「成長」をし続けることが大切である。
第3章「つい立ち止まりそうになったら」
とはいえ、「成長」をしていく中で立ち止まってしまいそうになることも少なくない。そのときはいったいどうしたら良いのだろうか。
著者は「仕事と家庭の両立」を引き合いに出しながら「立ち止まりそうになったら」という質問の処方箋を提示している。
第4章「働く覚悟」
「働くこと」「仕事をすること」とは何か?
おそらく多くの人は「生活のため」や「やらなければいけないこと」という答えが返ってくる。私の周りの多くも異口同音の答えである。
私はこの質問に対してどう答えるか。一言で言うと「楽しみ」と答える。職業柄、顧客に対してサービスを作り、提供する立場にある。自ら作ったサービスが顧客に提供してからどのように使われているのかも「楽しみ」であり、作っていく中で様々な衝突や叱咤があるがそれもすべて「これからどうするか」という指針につながるものとして捉えている。これが正しいとは言えないが、元々仕事そのものが好きなので、その様な考えになったのかもしれない。
第5章「将来が不安になったら」
将来を不安に思う瞬間は誰しも一度や二度ならずともある。そのときはどうしたら良いのかを助言している。
第6章「こんなはずじゃなかった・・・と思った時」
著者も本章で公言をしているが、私も同じく「がんばる」「頑張れ」という言葉は大嫌いである。著者は「何をがんばるの?」と思ってしまうのが理由としてあげられているが、私はむしろ今がんばっている人に「頑張れ」という言葉をあげるのは、むしろ苦痛ではないのか、ということ。もう一つは著者があげている理由と同じである。
話はずれてしまったが、自ら前に進んでいても「こんなはずではなかった」という思いをしたことはある。しかし「生き方」に対する考え方一つ変えることで、人生は大きく変わってゆく。
第7章「本当の幸せって」
「幸せ」とはいったい何なのだろうか。私にもよくわからない。会話や食事を楽しむといった日常からでも、困難を達成した時でも多かれ少なかれ「幸せ」は感じることがある。要は「悔いのない一日」を送ることそのものに「幸せ」が散りばめられているのだろう。
誰しも心が折れることがあるだろう。誰しもくじけることがあるだろう。著者もまた数多くの挫折と苦難を乗り越えて今日を迎えた。自らの人生をさらけ出し、被災に遭われた方々にどのような言葉で伝えたらよいのだろうか。著者なりに出した答えがこれであったのかもしれない。
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