マッチポンプ売りの少女 ~童話が教える本当に怖いお金のこと~

前書「ヘッテルとフエーテル」は「痛快」かつ「爆笑」の一冊であり、かつ「黒さ」もあったのだが、本書はその前書を遥かに凌駕するほどの「黒さ」を垣間見てしまった。お金のことが中心であるが、不動産や書籍などにも言及している。本書は全部で9+1のストーリーあるが、当ブログではとりわけおもしろかった4つをピックアップして紹介する。

Story1「ゴーグルをかけた猫」
某サイトのことを言っており、そのことからの婚活を例に出しているが、てっきりゴーグルの恐ろしさについてストーリーにしているのかと思った。挙げるとするならば、
「ゴーグルやスモトフォンによって、自ら持っているブログの内容からネットサーフィンの傾向などプライベートまで垂れ流しにされてしまい、会社からクビにされ、さらにはカードの情報まで横流しされてしまいには自己破産。」
というストーリーかと思ってしまった。

Story2「コブラの魔法使い」
このストーリーのなった元については本書を読めばもう言及しなくてもいいほど有名なものである。書籍に関しては内容のおもしろさと言うよりもネームバリューやインパクトの強いタイトルやギャップによって売れるものが多い(当ブログではそんなものを取り上げる可能性は低い)。
そのためかベストセラーと呼ばれても、内容が伴ってないケースは数多くある。これは小説ばかりではなく、ビジネス書にも同じことが言える。

Story4「アクデスと40人のどろぼう」
おそらくこのストーリーほど現状にはまっているものはない。現在東日本大震災の義援金がかなりの額になっているものの、被災者の手元に入っている金額はほとんどない。もしかしたら約27年前の「某トラスト」の件と同じ様なことになっているのかもしれない。これ以上のことを言うと私が殺されかねないのでこのストーリーの延長戦としてブログ上でそのことについて発表したらどうなるのか見てみたいものである。

Story8「みにくい天下りの子」
Story4よりももっと現状にはまっているように思えてならない。むしろ「はまりすぎ」と言えるストーリーである。ここでは某土建会社のことを言っているが、これが「某電力会社」だったらどうなるのか・・・見てみたいものである。さすがに現状にはまりすぎてバレる可能性が高いが。

全部で9+1のストーリーから選りすぐりを選んだのだが、選んでいないものも思わず「黒い!」と叫んでしまうほど過激なものと言えるストーリーばかりであった。著者は有名な投資家であり、かつ有名な著者にまでなったものの、本書を出版してからどうなったのだろうか不安で仕方がない。それくらい「過激」と言う言葉がよく似合う一冊である。