たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する

「今日の勝利はたまたまだよ」

この言葉はスポーツやギャンブルなど「勝負」の世界で良く聞く言葉である。確率論として低い場合に、こういった「たまたま」と言うのがある。しかしこの「偶然」にも必ず「確率」や「統計」はある。私も大学では確率や統計を専攻していたが「偶然」や「奇跡」という言葉を信じるのはこのためである。

十分あり得るだから出こそ、「統計」や「偶然」という言葉の働きを知る必要がある。折しも「日経ビジネスAssocie」にて「数学力」の特集が組まれるほどビジネスの場において「数学」は重宝され始めているのである。

本書はビジネスに強くなるような数学、と言う一冊ではないのだが、「数学」に抵抗のある人は是非読んだ方が良い一冊である。難しい単語もあるのだがそれ以上に「知的好奇心」、それも「数学的な」知的好奇心がこの上なくくすぐられてしまう。くすぐられてからビジネスの数学を見ていくと、まるで嘘のように頭の中に入っていくことができる。

言わば数学嫌いにとっての「特効薬」ならぬ一種の「ショック療法」と言える一冊である。