世界は分けてもわからない

今から5年前、著者は「生物」と「無生物」とを分けて考えてみた。その本がベストセラーとなり著者の名も、生物学を知らない人たちにまで広がった。その続編は著者がこれまで生物や細胞など、生物に関して様々なものを「分けて」きたのだが、その「分けて」北先にはいったい何があったのだろうか。本書のタイトルにある「分けてもわからない」というのはどのようなプロセスでそう至ったのだろうか。

「生物と無生物のあいだ」も同様なことを思ったのだが、著者の著作がたちまち人気になる要因は「生物学」を「生物学」としての考察をそのまま出していない所にある。読者を意識しているのかどうかは著者の思考の奥底にしかないのだが、「生物学」を自らのエピソードとストーリーをのせながら「生物学」の世界に引き込ませる力がそこにはある。私たちの生活に関わっているがあまり知られていない、そして引き込ませる文章があることによって「生物学」の面白さを私たちに見いだしてくれているのかもしれない。

その引き込ませる中にその「プロセス」はあるのか、と言うとまさにタイトルのとおり

「わからない」