「消費社会」というと「モノの消費から、ココロの消費に変わった」と言うのがおきまりの文句になってしまうのだが、今し方そうなっていると言っても仕方がない。「贅沢」に関してもそのことが言える。
本書もそれと同じことを言っているのだが、「記号消費」と「脱物質主義」の二本柱で「モノ」から「ココロ」への変遷を紐解いている所が特長にある。
かつて「モノ」に関してはそれほど恵まれていなかった。大量に買えるモノから高級、かつ個性的なモノへの渇望が変化していった。しかし時が経つにつれその志向ですら満足しなくなってしまった。
モノの満足に変わるもの、それは記号など「形のないもの」に変化をしていった。それが「ココロ」の充足へと満たしていったのだろう。
やがてその「ココロ」の充足も飽和していく。それが何年後、何十年後になるかわからない。その咲にどのような「欲求」が生まれるのか、それは私たちが知らない所で握っているのかもしれない。
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