クラウド・コンピューティング仕事術

ここ最近になって、IT業界においても、ビジネスにおいても「クラウド」という言葉が使われるようになった。「クラウド」というのは直訳すると「雲」であり、Googleなどのサーバーがあたかも雲のように見えないと言うことからそう呼ばれている。

ITの場でもビジネスの場でも注目の的となっており、本書のような仕事術は書店に行くとほぼ必ず見つかる。

さて本書の仕事術はいったいどのようなものか見てみよう。

第一章「メール革命から始めよう」
「クラウド」の代表格の一つとして挙げられるのが「Google」であり、なおかつ「Gmail」はメールのクラウドとして挙げられる事が多い。無料でありながら7GBも使えるのだから使い倒さないわけにはいかない。私も知り合いのメールマガジンはすべてGmailを使っており、アーカイブをして残しているほどである。ほかにもアイデアメモにも使えるなどいろいろ挙げていくだけでも7GBを全て使い倒すのは難しいほど使用方法は広く、大きく使うことができる。

第二章「携帯電話を「サブ脳」に」
クラウドとしてありがたいものとしては移動中でもオフィスにいる時と同じような状況の中で仕事ができる事にある。
その重要な役割を果たしているのが携帯電話、最近ではスマートフォンと言うべきか。
紙媒体であると荷物かかさばる事があるのだが、それをGmailやEverNoteを用いて保存をすることによって紙に起こすことなく、いつでもどこでも取り出すことができるという。
いつでもどこでも使うことができるのもあるが紙媒体の削減という事も達成できるという一石二鳥の事もできるのが携帯電話やスマートフォンとクラウドの強みである。

第三章「パソコンでの「データ整理」のルールが変わる」
ここでは「仕事術」と言うよりも「整理術」という所に重きを置いている。ファイルの整理は仕事の場でも、プライベートでももっとも重い課題の一つとして挙げられる。むしろプライベートの方が意識的に改善していない分深刻であるが。
「整理」というと私ではフォルダの頭に数字を入れて番号順に管理をする事でどのフォルダが重要かそうではないかと言うのを分けている。しかし本章では時系列を利用とした整理術を採用している。

第四章「クラウド仕事術の「損得計算」」
クラウドを使うと言ってもメリットばかりではない。むしろリスクにも目を向けないと後々痛い目に逢う。そのリスクとしてもっとも大きいものでは「セキュリティ」がある。これについてはBIOSなどのコンピュータの面、さらにはインターネットのブラウザなどの面からのセキュリティ術まで記されている。さらにコスト面でも通信費やPC費用なども紹介されている。

本書が出版されたのは2009年9月、ちょうどそのときは「クラウド」がようやくビジネスで使われ始めた時である。あれから約2年、クラウドの使える範囲は飛躍的に広がっている。もしかしたら本書以上のことがクラウドで可能になっている。しかし「クラウド」の「ク」の字も知らない人がいるのも事実として挙げられる。その人がクラウドを使いたいのであれば本書はその基礎的な部分を担うためおすすめすることができる。