森林異変~日本の林業に未来はあるか

森林破壊が進んでいる・・・といいたいところだが、本書は環境問題のことについて書かれているのではなく、「林業」という業界の衰退について書かれている。国産の木材が林業従事者の高齢化により、人・モノともに現象の一途をたどり、数少ない資源である、木材がとれないということを本書では警鐘を鳴らしている。

かつて日本人は森林とともに育っていた「共生」の概念があった。木々を育て、伐採して木材として使い、そしてまた伐採したところに新しい木々を育てる。そういったサイクルによって森を守ってきた。

今年2011年は「国際森林年」である。環境問題として「森林」を捉えるのも一つの手であるが、本書のように林業のあり方、これからを論じながら、私たち日本人はどのように森林とつきあっていけばよいのかを考えることも必要なのではないか、という問題提起をしてくれる。