骨の記憶

「骨」

私たちには様々な骨によって形成づけられている。これは人間に限らず骨を持つ動物、さらには店や会社では「屋台骨」という言葉があれば「骨格」という言葉があるなど「形」をつくられるためにおいても重要な役割を担っている。

それはさておき、本書は2部構成に分かれており、タイトルにある「骨」は第2部に書かれている。それぞれフィクションとノンフィクションに分かれている。とりわけ後半は実在した人類学者をモデルとしたノンフィクション作品である。

前半は「空に舞う君へ」というフィクション作品であるのだが、時間軸が激しく替わっており、あたかも「短編集」のような感じであった。後半は前述のとおりにある人類学者の実際の物語であるが、「骨」に関する探求ロマンは魅力的であった。

ノンフィクションとフィクションの両方を収録した珍しい作品であるが、著者もあとがきにて語ったとおり「骨」をテーマにしているのだという。フィクション・ノンフィクションと両方の世界からみた「骨」をこれほど味あわせてくれる作品は他には見たことがない、と言えるほどの一冊である