見えない復讐

もしも他人があなたを「将棋の駒」として扱われたことに気付いたらあなたはどのような感情になるのか、あるいはどのような行動を示すのだろうか。

私であればすぐに咎めるが、咎めたとしても相手はしたり顔で「使われるあなたが悪い」「騙されるあなたが悪い」と返すだろう。

本書はある投資家が投資を介して怨恨を持つ大学関係者に復讐を遂げるという物語である。
探り、探られ合いとなるようなスリルと歪みきった人間関係が交錯しており、読みながらでもハラハラしてしまうほどであった。

そこまではよかったのだが、解せないところも存在する。本書の終わり方である。「終わりが良ければすべて良し」ではないのだが、釈然としなかった。むしろ「見えない復讐」の第二弾がでるような意味深な終わり方をしているのである。もし続編がでてくるのであれば読みたいのであるが。