皮膚という「脳」 心をあやつる神秘の機能

人体はまさに「不思議」に満ちている。その大きな理由の一つとして「人体」の解明は進んでいても、「すべて」解明できているというわけでは無いからである。まだまだ解明されていない部分があるため、「不思議」と言えるのである。

皮膚もその「不思議」の一つである。本書は未だすべて解明されていない「皮膚」の宇宙を見ることのできる一冊である。

第1章「露出した「脳」」
本書のタイトルにあるとおりある種で「脳」の感覚と捉えられる。たとえば「熱い」や「寒い」を直に捉えることができるのは脳ではなく「皮膚」だからである。代表的な運動の一つとして「反射」があるのだが、これは急激にあつい、もしくは寒いものに触れたりしたときに脳の命令を待たずして反応するところにある。
「熱い」「寒い」といった温度感覚ばかりではなく、様々な物質に触れ、そこから感覚を覚えることから「露出した「脳」」と言える。

第2章「五感はすべて皮膚から始まった!」
「視覚」「味覚」「触覚」「嗅覚」「聴覚」
いずれも皮膚を媒介している。「味覚」は口の中で感じる感覚なので少し当てはまらない部分もあるが。
本章では「聴覚」や「触覚」を中心に「五感」が皮膚から始まることを説いている。

第3章「皮膚は心をあやつる」
聴覚は耳の中の三半規管の振動によって音と捉えられる。結局は皮膚の振動によるものであることは第2章でも書いた。本章のタイトルを見ると疑わしくも見えるのだが、触れた瞬間「気持ち悪い」や「気持ちいい」という感覚に陥ることがよくある。触れることにより心情が変化することからそういったタイトルが名付けられたのではないかと考えられる。

第4章「豊かな境界としての皮膚へ」
本章ではややネガティブなものも含まれている。たとえば「いじめ」「リストカット」などがあげられるが、これは第3章にも述べているとおり、皮膚に触れることにより心が変化を生じていくことからにある。
またもの(こと?)が皮膚に触れることによる感情の変化の境界についても本章にて触れている。

日本の社会では「心の病気」が蔓延しているという。その多くは「触れる」機会が少なくなったことによる研究成果も出ているのだという。今となってはパソコンなど触れずに知ることのできる媒体は急速に増えているが、だからでこそリアルの場で「触れる」機会を持つことの重要性を「皮膚」の研究を通じて思い知らされる。

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