アキバを創った12人の侍

かつてから電気街と言われ、今となってはオタクの聖地の一つと言われている秋葉原、通称「アキバ」。そのアキバは現在のように変容していったのか。そしてこれからのアキバはどのように変容していくのかについて、本書では実際に現在のアキバに変容させた方々、そしてこれからのアキバを構築させ、挑戦する方々を「侍」とし、紹介している。

1章「常識はずれの発想が”アキバ”を創った」
おそらく現在において、アキバほど「オタク」などの文化が生まれたところは見あたらない。東京でもっともホットなスポットといっても過言ではない。時々アキバに幾私でもあまりのホットぶりに度肝を抜くばかりか、道が混雑してしまい、目的地までなかなか進めなかったことさえあった。
それはさておき、「オタクの聖地」と呼ばれる所以の一つに「フィギュア」や「コミック・同人誌」「メイド喫茶」があるが、本章ではそれらについて紹介されている。

2章「アキバ・スピリットは変わらない」
私が初めてアキバの地を踏んだのは大学4年生の時、ちょうど就職活動の頃である。北海道の大学だったため、東京に行くことは月に1回くらいであったが、ニュースや友人の話などでアキバに関する印象はあった。しかし実際にアキバの地を踏んだときにはその文化とホットぶりに圧倒され、「ついていけなくなってしまった」とさえ思ってしまった。
最初にもふれたのだが、アキバはかつて「電脳街」と言われるほど電気製品が乱舞する街であった。昭和では「家電」、21世紀に入る頃までは「パソコン」のメッカとしても知られており、いわゆる「固い」部類でトップをひた走る街であった。
今となってはオタク文化のメッカにもなったものの、かつての面影を残す側面がこのアキバにある。本章ではその「残す」部分で活躍している方々を紹介している。

3章「しなやかに変容するアキバの電気店」
2章では、かつてのアキバは固い部類でトップを走っていたというが、その固い部分も含めて、緩やかにでもしなやかな「変化」を続けている街でもある。
例えば「おでん缶」の誕生も本章にて挙げられているが、おでん缶の誕生秘話など「常識」を疑い、次々と覆すことの文化を物語っているように思える。

4章「なぜ外国人観光客はアキバに惹かれるのか」
現在のアキバには外国人観光客も多い。第1章でも書いたが、私も時々アキバに足を運ぶのだが、外国人の方がごった返しているところもあり、驚いたこともある。
外国人観光客がアキバにいきたがる理由、本章では免税店などの外国人観光客戦略が著しいアキバの侍を紹介している。

5章「アキバの野望と挑戦」
就職活動をしている時期はどちらかというとオフィス街を見ていた。JR秋葉原の電気街出口をでると、オフィスビルが立ち並んでおり、平日の朝はビジネスマンでごった返す。文化だけではなくビジネスの先端を担うところの一つという側面もある。
それだけではなく、本章では「産学連携」も、アキバでは積極的に行われており、日々その研究と実践の繰り返しを行っている。

「常に変化を続ける場所」
「新しい文化が誕生する場所」
「その文化を日本に、世界にと広げられる場所」

アキバにはオタクや電気ばかりではなく、それらの側面を持っている。世界的にも経済やビジネスなどは絶えず「変化」が求められる。アキバはその変化に呼応できる最後の「砦」と言える場所である。