部下には数字で指示を出せ 儲ける課長の会計力

著者の望月様より献本御礼。
今年の夏のビジネス書は「数字」や「数学」で乱舞したといっても過言ではない。その理由は様々であるが、一つにはビジネスを行っていく上でそれらが、いかに重要であるのか再認識され始めたのかもしれない。

本書も「数字」の需要性についてかかれているが、あくまで「勘定」としての「数字」の重要性を説いている。

第1章「「値引きはどこまでしてよいか」がわかる売上と利益の関係」
経営や商売を行うとき、つきものと呼ばれるものとして「数字」はある。これは直接お金の動く営業ばかりではなく、私が勤めている業界でも「開発費」についても同じことが言える。

第2章「資金繰りで困らない運転資金の計算法」
資金繰りの重要性について述べているが、その中で重要な例として英会話教室の「NOVA」を取り上げている。

第3章「会社の実情をつかむキャッシュ・フロー計算書の読み方」
財務諸表の一つとして「キャッシュ・フロー計算書」がある。本章ではそのキャッシュ・フローの中でも「営業」「投資」「財務」と3つに分けて定義している。さらにそのキャッシュ・フローによって事業の成長度合いについても紹介している。

第4章「どんなときでも儲けるための「コスト」の基本」
昨今では景気が低迷しており、これまで利益を出た会社でも一気に赤字転落に陥った企業も少なくない。
本章ではそのような時代でも利益が出るようなコスト基本について紹介している。ヒントは「変動費」と「固定費」である。

第5章「予算がわかれば”会社”が見える」
ほとんどの企業は予算を立てる。しかしその「予算」を立てると一口にいっても半期、一年、もしくは3年なり5年なりと長期経営目標など数字目標を立てることもまた「予算」の一つであるという。
本章では企業が行っている予算の構成のイロハをはじめ最後に述べた経営計画の重要性について述べている。

第6章「予算を達成するための数字の見方・使い方」
おそらく多くの企業では予算を達成するのに苦心をしているだろう。とりわけ新しく部課を管理する人にとって、この「数字」に悩まされることが多い。
本章では勘定における「目のつけどころ」を紹介している。

第7章「勝ち組企業に学ぶ利益を増やす発想法」
売り上げや利益を上げる方法は様々な方法はある。しかしそのうちどれを行ったらよいのかわからない、という方も多いことである。
本章では「勝ち組」と呼ばれる企業の売り上げ方、利益計上の方法を様々なパターンという形で紹介している。

第8章「予算よりプロセスを重視する未来の管理会計」
「管理会計」という言葉を初めて聞く人も少なくないだろう。すくなくとも簿記を勉強した方を除けば。
本章ではあまり聞き慣れない用語「管理会計」を予算計上の問題点と解決方法とともに取り上げている。

「ビジネス」と「数字」は切手も切れないものである。とりわけそれを身にしみてわかるのが課長以上の「管理職」、もしくは「経営者」と呼ばれる方々であろう。戦略や指示を出していく上で、だからでこそ「会計」のノウハウを持つべきと著者は主張している。