上司は部下のためにいる

「TSUTAYA伝説の店長」「TSUTAYA伝説のマネージャー」と呼ばれる方がチームマネジメントをどのように実践して言ったのかを示した一冊であるが、その中で「北風と太陽」のおとぎ話を例に挙げたマネジメントを紹介している。

STEP0「北風のマネジメントから太陽のマネジメントへ」
最初は「北風」のマネジメントであるが、これは結果に結びついたとはいえ、事実上の「失敗」と言えるマネジメントであった。それは言いなり、もしくは「操り人形」を作っているようで、目の前が真っ暗になったのだという。

STEP1「心をつかむ」
その体験をもとに「太陽」のマネジメントを始めていった。その一つ目に「心」をつかむことにある。「心をつかむ」とはいったい何なのだろうか。それは部下に対して関心を持ったり、共感をすることによって上司と部下の距離を縮めさせ、部下一人一人の強みを生かしたチームマネジメントにする事ができる。

STEP2「ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)を機能させる」
社会人としての基礎である「ホウ・レン・ソウ」であるが、最近では「ホウ・レン・ソウ」をしない、という声もあるのだという。しかしその「ホウ・レン・ソウ」を聞く側は、伝える側に立って聞きに行っているかについても考える必要がある。
「ホウ・レン・ソウ」に限らず、部下を自発的に考えさせるような魔法のフレーズを紹介している。

STEP3「教える 気づかせる」
仕事を「教える」とはいったいどのようなものなのだろうか。私も後輩がつき、仕事を教えることがあるため、それについて考えさせられることもある。
しかし教えたとはいえ、理解できているか、というと一致している訳ではない。本章ではそれを一致するための方法について紹介している。

STEP4「褒める 叱る」
人を育てるには「褒める」のが良いか、「叱る」のが良いかどちらがよいのか。これは部下それぞれによるが、それ以前に感謝をする、失敗にも「どうしたら?」という質問の仕方に変えるようにするなどで、スタッフの問題解決になるような助力にする事ができる。

STEP5「価値観をそろえる」
「価値観をそろえる」こととして最初に「整理整頓」を取り上げている。「整理整頓」というと自らの机や道具など物的なものを整えることを指しているが、本章では「目標」や「価値観」などどちらかというと「目に見えないもの」の整理整頓のことを言っており、その方法についてを紹介している。

STEP6「評価をする」
上司としての仕事の一つとして部下への評価が挙げられる。その中で評価は何のためにするのか、部下のためにどのように評価していけばよいのか、を示している。ようは部下に対して前向きに頑張れるための言葉をかけることも一つである。

STEP7「最高のチームをつくる」
もしもあなたに息子、または娘がいたら自分の仕事をどのように話すのだろうか。おそらく「つらい」「苦しい」と言う話をするか、あるいはそもそもその話をしないということもあるだろう。むしろそれを聞かずとも仕事の嫌な部分を伝えてしまっており、私たちの世代として「仕事」に対して後込みをしてしまっている。
チームにしても、働く人個人としても夢を持ち、働くすばらしさを伝えられるひとになれば、子供たち、あるいはその後の世代にも伝わってくる。

「チーム」とは何なのか、「マネジメント」とは何なのか、そして「働く」とは何なのか、それが自らの店長やマネージャー経験をもとに描かれており、マネジメントをする立場ではない私にも「部下」という立場から学べるものが多かった。