呼んでみただけ

小学校か中学校時代に呼ばれて反応したら、タイトルにあるように返されることがあった。意地悪な返し方であるが、親友や恋人だったらそれも許されてしまう。しかし荘でなかったら自分としては気を悪くしてしまう。バカにされているように思えてならないからである。

それはさておき、本書は幼稚園か小学生の子供とその母親がおはなし(おとぎ話?)をしつつ親子のやりとりを綴っている。そのおはなしは日常あるようなおとぎ話ではなく、本書オリジナルの「創作話」であり、一つ一つの物語に様々な意味がこめられている。クラゲの話からイチゴ、あるいはモグラの話など多彩であるため、もしも自分に子供が出たのであればぜひ読ませてみたいものもある。

ちなみにこのタイトルは子供が母親に向かって話した言葉であるが、好奇心によるものなのか、子供が親に対する愛情の現れの一つなのか、わからないが「愛あるいたずら」の印象のように思えてならない。

とはいえ今私たちの忘れている「家族愛」や「親子愛」がふんだんに詰まっており、読んでいる私でも心が暖まる一冊といえる。