私が書評を始めたのは4年前の4月のことであった。一番最初の記事は岩波新書の「ジャンヌ・ダルク」だったことは今もはっきりと覚えている。それから1年~1年半の間は進級問わず新書の紹介がほとんどであった。それだけ新書に興味があったのか、と聞かれると、半分その通りであるが、もう半分はそうではない。当時は大学生であったため資金がなかったため、リーズナブルである新書しか楽しめるものが無かったからである。
しかし読んだり、ブログにて紹介して行くうちに新書を読むのが好きになっていった自分がいた。ビジネス書を取り上げることが増えていったときでも、である。
本書は書評ブロガーの大御所である「404 Blog Not Found」のdankogai氏こと小飼氏が新書の良さ、特色を余す所なく伝えている。
Part1「新書の買い方、読み方」
新書はリーズナブルな価格である割には特定分野の初心者から上級者まで楽しむことのできる本が揃っている。特定分やだけを初心者から上級者まで買いあさり、「にわか専門家」になることもできれば、私のように「広く浅く」知識を蓄えることもできるスグレモノである。
だからでこそ新書を使い倒さない理由は見つからない。そこで本章では小飼氏の新書の買い方も紹介しているが、おそらく本を読まない人からみると「豪快」という一言に尽きるのかもしれない。
Part2「新書を10倍生かす方法」
幅広い分野で深い・浅い関係なく様々な本がある新書だが、それを使い倒さないともったいない。そこで著者は新書のタイトル、さらにはどのような本を書えばよいのか、読書をするときの方法など、著者流の新書活用術を紹介している。普段あまり新書を読まない人でも、できるようなものもいくつかあるため試してみると良い。
Part3「新書レーベルメッタ斬り!」
本章で紹介されている新書レーベルは本書が発売された昨年7月現在のものを取り上げているため、それ以後の新書について私自身が取り上げてきた限り紹介しようと思う。
・ディスカヴァー携書・・・ディスカヴァー社は新鋭・古典関わらずビジネス書が多い傾向にあるのだが、携書はそうとは限らず、サイエンスや教育にまつわる本も多く取り上げられている。「婚活」という言葉が使われるようになった本もここから取り上げられている。
・DISCOVERサイエンス・・・一昨年に創刊された新書。普段「科学」について関わりを持たない人向けに、「科学」に興味を持ってもらえる作りをしている。それ故、科学の知的好奇心をくすぐられる本が多い。
ほかにも私の知らないような新書も数多くあるため、新書の幅はますます広がっている。
私にとって新書とは何か、700円というリーズナブルな金額で知識の奥深いところまで行けるおもしろさを知ることのできるツールと言える。しかも分野も幅広いため飽きさせないのも特色の一つとして挙げられる。新書はハードカバーにはないおもしろさを秘めている。著者も言い切るが、私もそう思う。
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