今、皆様の機嫌はいかがであろうか。
上機嫌の人もいれば、逆に自責・他責問わずの原因で不機嫌になっている人もいる。しかし機嫌一つで周りの雰囲気も変わることもあれば、自分自身のモチベーションにもつながるのだから「機嫌」は侮れない。そして上機嫌であればあるほど自分にとっても、周りにとっても良い影響をもたらす。本書は上機嫌の効力を著者自身の半生とともに語った一冊である。
第一章「上機嫌力をアップさせよう」
「上機嫌」の反対はと聞かれると、即「不機嫌」と答える。しかしなぜ「上機嫌」の反対は「下機嫌」ではなく「不機嫌」なのか、と訊かれると答えに窮してしまう。著者によると機嫌はマイナスになることはなく、むしろゼロから積み上げることができるのだという。
その機嫌を積み上げる事のできるちから、即ち「上機嫌力」のことをいっており、それは鍛えることも可能であるという。
第二章「路上で感じた多くのこと」
著者は最初から書道家として活動をしておらず、サラリーマンとして活動を行っていた。しかし自分自身の生き方に疑問を持った著者は会社を退職、そして表札や名詞を筆で書くこと、あるいは書道教室の商売を行っていた。それだけではなく、路上でいろいろな人の話を聞き、それを文字にすることもやっていたのだという。
とりわけ路上の体験は著者が書道家の大きな基礎を築き上げていった。
第三章「書から学んだ上機嫌の心」
私自身、書道教室に通ったことはないのだが、筆ペンや毛筆を使う機会はたまにだが、ある。毛筆で書くときの感情がそのまま字として現れる感覚である。
さて、その書道であるが、美しい字であったりきれいな字を良しとする傾向があるように思えるが、著者は「ありのまま」を描くことにあるのだという。それを見てみると、「書」は「アート」ととも言えるのではないか、と思った。
第四章「上機嫌はスキルだ」
上機嫌になるのはスキルだと言い切っている。人は誰しも不機嫌になったり、イライラが募ったりすることもあるのだが、それを無理矢理にでも解消しようとするから余計にマイナスの感情を増幅させる事となり、なかなか上機嫌になることができない。
それらの感情と向き合う、もしくは「愉しむ」ことによってそれらを解消することができる。
第五章「人生は変えられる」
本章のキーワードは「瞬感」である。既存の熟語を「瞬間」を捩っているが、日常にある「瞬間」そのものを大事にして「感謝」「感動」などをする事を意味している。
人生は一瞬にして変わることはない。毎日の瞬間を感謝しながら送ることによってゆっくり変えることができる。しばらくしたとき、人生観のみならず、見方もびっくりするほど変わる。
「日々是感謝」という言葉がある。感謝をすることによって自分にとっても、相手にとっても良い影響を与えることは間違いない。上機嫌になることの良さ、そしてその上機嫌を鍛えるのも本書からやってみることにより、自らもびっくりするほどの上機嫌になるのだろう。ただし即効性はない。日々行動する事により、じわじわとそうなってくるのだから。
コメント