大学生のためのドラッカー2 就職活動編

一昨年に「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(通称:もしドラ)」が大ブームを巻き起こし、様々な企業や団体で「ピーター・ドラッカー」の手法を実践している所も出てきているほどである。

その「ドラッカー」の手法を用いて大学生に向けて就職活動や大学生活に関してアドバイスを行っている方がいる。

それが著者であるが、本書はその中から就職活動におけるアドバイスを伝授した一冊である。

第1章「なかなか内定が出ない就職活動中の大学生に、ドラッカーは、「何になりたいか、何を投じて何を得たいか」と言った。」
就職活動は個人差によるが、希望の会社・業界に内定を得るための活動であり、1ヶ月足らずで終わる人もいれば、1年以上かかる人もざらにいる。
ちなみに私は半年以上かかった身であるが、その中で住まいである小樽から、就職先である札幌を往復する、また月に一度は東京に行くこともあった。昼ご飯は日によるが、貧乏であった私はよくマクドナルドのマックポークを食べていたことを思い出す。時々マクドナルドにいくときは必ずこれを注文する。
私事はここまでにしておいて、就職活動の時によく考えることとして「会社とは何か」「働くこととは何か」という疑問にぶち当たることがしばしばある。私も就職活動の道中、歩きながら禅問答の如く問い続けたこともある。
本章ではそのあり方だけではなく、「成長」「プロフェッショナル」などドラッカーの本でもよく出てくる言葉も出てくる。

第2章「なぜ俺の言う通りにできないのかと苛立つ大学生に、ドラッカーは「リーダーに必要なのは、真摯さである」と言った。」
就職をしたら当然のように特定の「組織」に属する。一定の結果と経験を積むようになったらその「組織」を動かすリーダーとなる。またさらに経験や実績を積むと「組織」の規模も大きくなる。
本章ではその「リーダーシップ」についてドラッカーの言葉とともに紹介している。就職活動中、もしくはそれより前の大学生を対象としているため、「リーダーシップ像」について具体的にとらえられていない、もしくは想像できない人も多い。もし想像できたとしてもドラマやマンガ出てくるような偶像くらいである。
リーダーになったらどうなるのか、自分自身リーダーになるにはどうしたらよいのかと言うことを連想しながら読んでおくと良いかもしれない。

GWを終え就職活動を終了した方、まだ継続中の方、あるいはこれから始めるかたそれぞれかもしれない。昨年・一昨年に比べて今年度は幾分厳しさは和らいでいるとは言え、依然厳しい状況が続いていることは確かである。その状況の中で大学生から「働く」「社会に出る」「ビジネス」などの意味を考える、というよりも理想像を構築・設計する必要がある。これは内定をもらうことが「ゴール」ではなく、「スタート」であるが、そのスタートラインに立つための準備として本書がある。社会人としてのスタートダッシュを切る、そしてゴールまでの道のりを明確にすべく示した一冊が本書と言える。