「論理力」短期集中講座

著者の出口汪氏を知ったのは大学受験の時、現代文で伸び悩んでいた時である。確か「実況中継シリーズ」の参考書だったことを今でもはっきりと覚えている。「論理的」という言葉を知ったのもこのときである。

私事はさておき、物事を明快に伝えるためには「論理」は大事な要素である。明快に伝えたり、意志決定を行う際に「論理」は重要なツールである(ただし「絶対」ではない)。
本書は現代文講師として「論理」の需要性を説くとともに、著者が長年築き上げてきた「論理エンジン」についても紹介している。

第一章「言葉が人生を劇的に変化させる理由」
言葉は偉大である。しかし「言葉」を使い方次第で、自らの人生が大きく変わる。自らコントロールできる「言葉」だからでこそ使い方を覚える必要がある。

第二章「なぜ、あなたの話が通じないのか?」
人はそれぞれ出身地や血液型といった見える部分の「違い」もあれば、「人生」や「価値観」といった目に見えない「違い」もある。
「言葉」はむしろ「経験」や「価値観」などに付随している者があり、そのことにより「通じない」ことは有り得る。
「論理」にはそういった事情はなく、事実や仮定などを使い、感情を取り払うことによって通じやすくなる。

第三章「「論理エンジン」で言葉の基本を身につける」
さて、著者が長年作り上げてきた「論理エンジン」の全貌が明かされる。
まずは「基礎の基礎」といえる「論理的な文章のルール」を「文法」から鍛え上げることから始まる。平易な文章から大学入試にて取り上げた問題まで揃っている。

第四章「考えを整理するための「論理エンジン」」
次は「論理的思考」で整理するための方法について、一文や段落などの「関係」を中心に紹介している。

第五章「考えるツールを作る文章のストック法」
ここでは応用編として知識を手着させる、要約をする、といった方法を紹介している。

「私は論理的な表現が嫌いだ」という人は私の周りにもいる。かく言う私も現代文は受験教科の中でもっとも苦手立ったことは今でもはっきりと覚えている。しかし「論理」のスキルは誰でも身につけることができ、かついったん身につけてしまえばビジネスにおいても強力な道具になることは間違いない。