なぜ貯金好きはお金持ちになれないのか?

著者の北川様より献本御礼。
自分の周りにも貯金好きな人が多い。社会的にも私たちの世代は「嫌消費世代」と呼ばれるのだから消費を極端に嫌い、何の目的も無く「貯金」や「預金」に走ってしまう。私自身も社会人になりたての頃はそうであったが、投資に関しての興味を示したとき、目的なしに貯金をする事をやめた。しかし投資に執着はあまりなく野放し状態になっているのも現状にはある。

本書のタイトル、及び帯紙を見ると衝撃的であるが、お金の儲け方ではなく、むしろ「お金」そのものを勉強する、そしてその「お金」をはじめとした「資産」の作り方についてを紹介している。

第1章「執着するほど、お金は逃げていく」
だからといって「お金に執着」をする本ではない。むしろ「執着」をしてはいけないと本章では警鐘を鳴らしている。人生は「お金」ではない、だが消費を抑えることも大切であるが、そのベクトルを謝ってはいけない。人生においてお金以上に大切なことを知る、そのことによってお金と対等に向き合うことができる。

第2章「財布やカバンの中身に秘密がある」
その向き合うのはお金だけではない。お金の「周りに」ある「カバン」や「財布」の中身を知る、そしてそれを整えていくことが大切である。「お金は寂しがり屋」ということがあるが、本章を呼んでいくと「お金は潔癖症」ともいえるのかもしれない。

第3章「お金を「貯め込む人」ほど資産を減らす」
「お金は寂しがり屋」と言われているが、だからといって貯金という名の「牢屋」に閉じこめているようなものかもしれない。「タンス預金」となればよっぽどそれを連想させてしまう。
その「貯金」も目的や目標もなくやってしまうのも日本人の「マネー・リテラシー」の疎さが際だっているという。
ただ単に「安全策」として「貯金」に走ってしまうことこそ、危険なことはない。

第4章「人生100年時代を豊かに暮らす方法」
「超高齢社会」と言われる時代だからでこそ、老後生活を安心したものにしたい。時代はどうなるかわからないのだが、そういったことを考えるためには、身近な消費や保険、投資にまつわる方法についてを紹介している。

第5章「投資で成功する人、失敗する人」
資産運用するための「投資」は大切であるが、そのリテラシーや方法についても「学び」は必要である。無理解な投資によって資産的に破滅になることの無いように必要なことを本章で紹介している。

本書は投資術でも資産管理術でもない。資産運用術というのも完全にそうではなく、むしろ「貯金に走る人」への警告書のような気がしてならない。「投資が怖い」「貯金は安全」というような固定観念を捨てて、「お金」の使い方、怖さ、そして使う目的を知り、見つけることがこれからもつきあっていく「お金」との関係を向き合う上で大切であるという。