いい奴じゃん

多くの新入社員は研修が終わり、いよいよ本当の意味で社会人人生のスタートである。大いなる社会の荒波に揉まれて図太くもあり、強く生きることが求められる時代である。

その一方で、「ロストジェネレーション(通称:ロスジェネ)」と呼ばれる世代はバブル崩壊の煽りを喰らい、大工など学校を卒業しても就職先が見つからない。見つかったとしてもリストラにより首切りの対象となり職を失うといったことになり、路頭に迷う人も出てきた。過酷と言うよりもむしろ「割を喰らった」存在とも言え、その状況を憂う人も多い。

しかし、本書はそのロストジェネレーション世代に生きる男が様々な人物、そして社会の荒波に揉まれ、人間不信になるものの、その中で人間の温もりを得る一冊である。

様々な荒波や不幸、さらには理不尽なことが起きようとも「図太く」、そして「前向きに」生きていく姿があたかも同じような世代に対するエールになる一冊とも言える。