人生で大切なことは雨が教えてくれた

暑い夏である。
しかしこの月は俗に言う「ゲリラ豪雨」という突発的でかつ猛烈な雨が降ってくる。「しとしと」と長く降るような小雨とは訳が違う。しとしとと降る雨は「哀愁」を漂わせが、土砂降りはいつ浸水してもおかしくないような「恐怖」や「戦慄」を覚えてしまう。

本書は前者にあたる、しとしととした「雨」がいかに感動を呼び、心的に変化を生じるのだろうか。文学を専攻し、仏教の修行を経験をしたことのあるフランス人が「雨」の良さを説いている。

第1章「雨がもたらす感動」
「万物は「水」である」
と、ある哲学者が唱えていた。「水」をもたらす「雨」。その「雨」によって植物育み、大地は肥沃になり、河の流れの速さは増す。
そうした自然の恩恵は人間の感情で催させるものとして「憂鬱」が挙げられ、ついで「悲しみ」、そしてその反対の「安らぎ」を与える。そのとりどりの感情が快楽となり、やがて「感動」と化す。

第2章「雨、メンタルの世界において」
雨は「表裏一体」なのかもしれない。
その「雨」には心に壁をつくるような事もあれば、その「壁」を洗い溶かすのも雨である。
それを後者にする方法というよりも心構えを本章では紹介している。

第3章「精神世界における雨」
気分がブルーになるとき、「心の雨」と言うような言葉を用いる。その「心の雨」はいったいどのような降り方をしているのだろうか。それによってブルーの度合いが異なってくる。

第4章「雨の情景 感覚の世界にて」
絵画や音楽などで「雨」を表現する事は多々ある。そのなかで表される「雨」はいったいどのようなものか、本章では「雨」の細々とした表現を紹介している。

第5章「雨愛好家になる・・・・・・」
「雨」は誰もが避けたいもの。しかしつきあい方によって「雨」は好きなものになる。その「雨」を好きなものにするための「衣・食・住」、さらに音楽や映画、アロマテラピーについても取り上げている。

「雨」というとネガティブな表現ととらえがちであるが、そのとらえ方によって人生にとって大切なことを教えてくれる。本書はその道標と呼べる一冊である。